分散型メモリキャッシュサービス「Amazon ElastiCache」を開始


 米Amazon.comは23日(米国時間)、Amazon Web Service(AWS)で分散型メモリキャッシュサービス「Amazon ElastiCache」の提供を開始した。基本価格は、0.095ドル/時間。現在は米国東部リージョンのみでの提供だが、今後数カ月で東京を含む他リージョンでも提供を始める。

 Amazon ElastiCacheは、AWS上で稼働するWebアプリケーションにインメモリキャッシュ機能を容易に展開、運用できるサービス。クラウド上に最適化された高速なインメモリキャッシュから情報を取得することで、Webアプリケーションの性能は向上する。

 特徴は、汎用の分散型メモリキャッシュシステム「Memcahced」と互換性を備える点。既存のMemchaced環境で使用しているコード、アプリケーション、ツールはAmazon ElastiCacheでシームレスに稼働する。

 利用にあたっては、AWS Management Consoleから2、3回クリックするだけで、Memchacedのキャッシュノードで構成されたキャッシュクラスタを開始できる。作業負荷の変更に応じてキャッシュノードを数分で追加・削除することも可能で、メモリ容量のスケールも容易。さらに一度キャッシュクラスタを構成すれば、Webサイトやアプリケーションのロード時間を遅くするキャッシュノードの障害を、Amazon ElastiCacheが自動的に発見・置換・回復してくれるという。

 Amazon.comでは、作業負荷の高いソーシャルネットワーキング、ゲーム、メディアシェアリングサイト、レコメンドエンジンなどの数値計算に最適としている。

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(川島 弘之)
2011/8/24 11:40