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日立、嗜好を分析し商品企画や販売施策立案に生かす「顧客インサイト分析サービス」

 株式会社日立製作所(以下、日立)は、顧客の嗜好を分析・可視化し、商品企画や販売施策立案に貢献する「顧客インサイト分析サービス」を、3月4日より提供開始する。価格は個別見積もり。

 このサービスは、企業の商品情報や購買履歴データをもとに、顧客のさまざまな嗜好を分析・可視化して、顧客視点での商品企画や販売施策の立案を行えるようにするもの。高精度に顧客の嗜好を推定できる独自技術を活用し、顧客の嗜好と実際に購入される商品の関係性をとらえ、その中から企業の施策立案で考慮すべきポイントを明確化し、レポートを提供する。

 具体的には、「健康志向」「価格重視」「トレンド追随」といった顧客のさまざまな嗜好を定義し、それらを各商品の特徴に関連付けた上で、商品の購買履歴データを分析。特定の嗜好を持つ顧客層が多く購入する商品を明らかにし、企業の施策立案で考慮すべきポイントを明確化する。

 分析には独自の情報抽出技術を活用し、過去の分析結果を最新の購買履歴データをもとに更新する際に、膨大な更新情報の中から重要な点を抽出することが可能。これによって、変化する顧客の嗜好と購入される商品の関係性を的確かつ継続的にとらえ、施策立案において考慮すべきポイントを容易に把握できるとした。さらに、データの偏りを補正する確率モデルを機械学習することで、新商品などの購買履歴の少ない商品も含めた、精度の高い分析が可能とのこと。

 また、日立が企業の商品情報や購買履歴データをもとに分析を実施し、その結果をレポートとして提供するので、ユーザー企業側が分析のためのシステム構築や分析作業を行う必要はなく、導入にかかる費用や期間を抑えられるとしている。

 なお日立によれば、ある企業で嗜好別に顧客層を区分し、各層に有効と思われるターゲットメールやクーポン配信を実施したところ、従来の性別・年代を組み合わせた分析に基づくアプローチと比べ、販促対象商品の購買率が約2倍に向上した実証事例があるとのこと。

 また日立のある事業所の社員食堂で、約2年半にわたり約90万件の購買履歴データをもとに、この分析手法を用いてメニューに対するおすすめ表記の効果を検証する実証実験を実施したところ、分析手法を用いない場合と比べて、施策立案にかかる工数が8分の1に短縮するとともに、購買人数が5%向上したという。

石井 一志