富士通、位置情報を活用したクラウドサービス「SPATIOWL」


 富士通株式会社は14日、位置情報を活用したクラウドサービス「SPATIOWL(スペーシオウル)」を発表した。

 SPATIOWLは、さまざまなセンサーや車両から収集した位置情報を活用するクラウドサービス。富士通が、これまでの移動体向け情報サービスの提供で培ったノウハウを生かして、従来は個別で扱われていた、多種多様な超大量の位置情報を統合して扱い、各位置情報の相互参照、相互補完を可能にした。

 実際のサービスは、「基盤提供サービス」と「業務提供サービス」から構成される。このうち「基盤情報サービス」では、タクシーや商用車といった車両を走行させることで収集されるプローブ情報、さまざまなセンサーから収集される大量の位置情報などを、データ種別ごとにレイヤで管理し、位置を座標に配置することで、相互に関連させて分析することができる。

 また、富士通が持つタクシープローブ情報、商用車情報と顧客の持つデータを組み合わせることで、位置情報を活用した、新しいサービスを開発可能。例えば、車両情報や渋滞情報のほか、施設情報やイベント情報、SNSからのコミュニティ情報などを、位置をキーにして整理し、分析されたデータを自由に組み合わせて利用することで、地域や好みごとの新しい付加価値サービスを、容易に構築可能になるとしている。

 一方の「業務提供サービス」では、富士通が収集したデータを分析し、特定の業務に特化して提供する。具体的には、富士通の持つプローブ情報を活用した「交通情報データサービス」、運送会社などの商用車の位置、運行情報、車両情報を活用した車両メンテナンス支援と車両管理のサービスを、商用車メーカーなどに向けて提供する「商用車テレマティクスサービス」など、すぐに使えるサービスを提供。今後もサービスメニューの拡充や、データ収集量の増加による、より精度の高いサービス提供を目指すとのこと。

 価格例は、「基盤提供サービス」の初期費用が65万円、月額費用が52万円から。「業務提供サービス」の交通情報データサービスが初期費用50万円、月額費用50万円(東京地区)から。商用車テレマティクスサービスが個別見積もり。サービスは7月より順次提供される。

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(石井 一志)
2011/6/14 16:39