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VMware創業者を起用 Googleが企業向けクラウドに本腰

開発ツールが企業クラウドに食い込むカギに

 Googleはクラウドで先行はしたが、企業向け分野では、AWS(Amazon Web Services)、Microsoftにリードを許している状態だ。Synergy Researchが4月に発表したクラウドインフラサービス市場(IaaS、PaaaS、プライベートとハイブリッドクラウド)のレポートによると、GoogleはAWS、Microsoft、IBMに次いで4位。Salesforceを僅差で制した格好だ。なお、AWSの売上高は2位以下5位までの4社を合わせた合計よりも大きい。Seeking Alphaはこれを紹介しながら、Googleの差別化を「開発者のニーズに応じること」としており、Bebopの技術によって補強できるとみる。

 実際、今回の取引ではGreene氏だけではなく、Bebopの技術への高い評価もメディアから上がっている。TechCrunchによると、Generaly CatalystのベンチャーキャピタリストでVMwareのCTOを務めた経験を持つSteve Horrod氏は「Greene氏は素晴らしい人材であり、瞬時にクラウドでのGoogleのゲームが変わるだろう」と予言し、「Bebopの開発チームも卓越しており、エンタープライズのDNAをGoogleにもたらすだろう」と述べたという。

 New York Timesもクラウド戦略における開発ツールの重要性を強調している。「開発者がクラウドアプリを構築するためにあるベンダーの開発ツールを利用した場合、開発したアプリをそのベンダーのコンピューティングクラウドで動かす可能性が高くなる」。そして、「GoogleおよびGoogleと競合する企業にとって重要なことは、土台の技術とビジネスソフトウェアのためのプログラミングツールを提供することで、クラウドコンピューティング向けのOSと同じ価値になること」というアナリストたちの見解を紹介した。

 Googleの技術インフラ担当シニアバイスプレジデントUrs Holzle氏は11月のイベントで、「2020年までにクラウドカンパニーとしてGoogleが語られるようになること」と目標を語ったとSeeking Alphaは伝えている。そして5年後にはクラウド事業が広告事業を超える規模になると予言したという。

岡田陽子=Infostand