週刊海外テックWatch

エージェントは「スイスチーズ」の穴を抜けた NVIDIAの新基盤への期待と限界

なぜOpenAIの名がないのか

 NVIDIAの発表によると、Anthropic、Microsoft、Hugging Faceなどが協力企業として名を連ね、100超の組織が参加している。採用面でも、AnthropicとはClaude Managed Agentsへのセキュリティの組み込みを進めているという。

 だが、その顔ぶれには、気になる点もある。TechCrunchは「一つの名前が特に欠けていた。OpenAIだ」と指摘する。

 TechCrunchによると、OpenAIは、NVIDIAとエージェントのセキュリティで協力しており、その一環としてOpenShellの開発にも取り組んでいる。また、OpenAIの広報担当者は取材に対し、NVIDIAの取り組みを支持していると語ったという。にもかかわらず、公的な参加表明は行っていない。

 OASPには、他にGoogleやAmazonも参加していない。Sentryの稼働にはBlueField-4が要り、これが大手企業に公の賛同をためらわせているかもしれない、とTechCrunchは見る。OpenAIには、さらにそれ以上の思惑があるとみており、こう述べている。「明らかに、OpenAIはAIの安全性を、主要投資家であるNVIDIAからの独立を図る機会であると同時に、自社のリーダーシップを示すチャンスと捉えている」

 といっても、外側で止めるエージェント対策は、OpenAIが8月に拡充したサイバー防御プログラム「Daybreak」でも推奨されており、方向性は重なる。今は、外側の層を誰が担い、誰が標準を握るのかが定まっていない状態と言える。

 元Googleでディスティングイッシュド・エンジニアを務めたセキュリティ研究者Niels Provos氏は、エージェントの封じ込めと監視を目的としたツールについて、「より多くのガードレールと安全対策を講じた形でエージェントを導入しやすくするものは、全て称賛されるべきだ」とWIREDに語っている。そしてこう言う。

 「少なくとも、こうした種類のツールは、『エージェントは制御できない』という神話を払拭するのに役立つ」