日本オラクル、Oracle DBの負荷テストに対応した統合アプリケーション・テストツール


常務執行役員 テクノロジー製品事業統括本部長 三澤智光氏

 日本オラクル株式会社は29日、統合アプリケーション・テストソリューションの最新版「Oracle Application Testing Suite 9.2」を本日より販売開始すると発表した。

 「Oracle Application Testing」は、同社の統合システム管理ツール「Oracle Enterprise Manager」のフレームワークに含まれる主要コンポーネント製品。アプリケーションの機能/回帰テストやデータ投入を自動化する「Oracle Functional Testing」、負荷テストによる性能検証を行う「Oracle Load Testing」、テストプロジェクト工程を管理する「Oracle Test Manager」の3製品で構成され、ユーザー視点のテストを簡単かつ迅速に行えるテストソリューションとなっている。

 今回の最新版では、「Oracle Database」、「Oracle Application Development Framework」およびAdobe Flexベースのアプリケーション向けに機能テストおよび負荷テストの自動化を拡張するとともに、「Oracle Enterprise Manager」の「Oracle Real User Experience Insight」、「Oracle Real Application Testing」および「Oracle Database Diagnostics Pack」との統合を拡大した。

「Oracle Application Testing Suite 9.2」の機能強化ポイントシステムパフォーマンスのボトルネック

 常務執行役員 テクノロジー製品事業統括本部長 三澤智光氏は、「最新版では、多数の機能強化を行っているが、最大のポイントは、『Oracle Database』の負荷テストが可能になったことだ。システムパフォーマンスのボトルネックにはさまざまな要素があるが、特にデータベースのパフォーマンステストが不足しているのが現状。今回の最新版は、このデータベースのボトルネックに対する解決策となるもの」と最新版の狙いを説明する。「これまで、『Oracle Database』の負荷テストを行うためには、ロードテスティングツールを別途購入する必要があったが、最新版ではその必要がなくなる。これにより、当社は、データベースの機能テストと負荷テストを両立できる唯一のベンダーになった」としている。

データベースの負荷テストと機能テストを新たに実装「Oracle Application Testing Suite 9.2」のレポーティング機能

 データベース向けの負荷テスト機能としては、新たに「Load Testing Accelerator for Database」を提供。これにより、「Oracle Real Application Testing」のキャプチャファイルのインポートやSQL、PL/SQLファイルのインポートが可能となり、手動でSQLによるテストスクリプトを作成することができるようになった。さらに、データベースのレポーティング機能も強化しており、セッション数やCPU消費量、メモリ消費量、キャッシュヒット率など、データベースの稼働情報を詳細に把握することが可能となった。なお、「Load Testing Accelerator for Database」は、2011年1月18日から販売開始する予定。

 このほかの最新版の主な機能強化ポイントは、「Oracle E-Business Suite」や「Oracle Enterprise Manager」との相互連携強化、リッチコンテンツ(Flex/AMF)への対応、64ビットプラットフォームへの対応など。

 また、最新版では「Siebel」、「Oracle E-Business Suite」、「Oracle Applications Development Framework」をベースとしたアプリケーションを含むオラクルのソフトウェア向けにテスト・アクセラレータを搭載しており、より簡単で効率的なテストをオラクルのアプリケーション向けに提供する。

データベースの負荷テスト構成例

 主な構成製品の参考価格は、「Oracle Load Testing」が1万1445円から/1Named User Plus、「Oracle Load Testing Controller」が79万8945円/1Processor、「Oracle Load Testing Accelerator for Database」が2835円から/1Named User Plus、「Oracle Functional Testing」が91万3080円から/1Named User Plus、「Oracle Test Manager」が22万8270円/1Named User Plus。データベース負荷テスト構成例での最小構成価格は、「Load Testing Controller」(最小1Processor)、「Load Testing」(最小200Named User Plus)、「Load Testing Accelerator for Database」(最小50Named User Plus)の構成で、322万9695円となる。

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(唐沢 正和)
2010/11/30 06:00