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CoNETS、すべて共通の操作感で利用できるデジタル教科書とビューアを公開

 デジタル教科書の共通プラットフォーム開発に取り組むコンソーシアム・CoNETSに参加する教科書会社8社は、小学校向けの指導者用デジタル教科書とそれを閲覧するためのビューアを3月20日から提供する。

 教科書会社8社は、大日本図書、開隆堂出版、三省堂、教育芸術社、光村図書出版、帝国書院、新興出版社啓林館、日本文教出版。

 小学校向けデジタル教科書が2005年に国内で商品化されて以来、教育環境のIT化が強力に進められている。そのような中、2013年9月に教科書会社12社と、電子黒板などの教育向けITシステムを提供している日立ソリューションズが、「デジタル教科書のスタンダードへ」をコンセプトに、業界の垣根を越えて立ち上げたのがCoNETS。

 CoNETSでは、共通プラットフォームを利用してデジタル教科書を開発しており、検討してきたEPUB3コンテンツ形式の拡張は、2015年1月27日に米国の標準化団体である国際電子出版フォーラム(IDPF)に登録された。

 今回提供するデジタル教科書は、映像や音声を含んだ教材の操作性を改善しているばかりでなく、科目・学年はもとより発行会社や使用機器のOSを超えて共通するプラットフォーム上で動作するもの。これにより、共通のデザインと操作性を実現するとともに、デジタル教科書間のリンクによって教科間を連携させるといった効果的な授業を実現。例えば、2つの画面を並べて比較表示したり、デジタル教科書上の書き込みを保存したりすることも可能。教員と生徒の端末をネットワークでつなぎ、画面を通じたやり取りも行えるため、ワークシートを配布・改修したり、生徒の画面を教師の画面に映したり、相互に情報伝達することで子どもたちの主体的な学習(協働学習)も促せるという。

 3月20日には小学校向けの指導者用デジタル教科書とビューアがインターネットからダウンロード可能となる。学習者用デジタル教科書も順次提供する予定。また、教科書の改訂に合わせて、2016年には中学校用のデジタル教科書を、2017年には高校用のデジタル教科書も提供する。

 対応OSは、Windows 7/8.1、iOS 8。

川島 弘之