Windows Server 2012研究所
Windows Server 2012 R2の使命は「クラウドOSビジョン」と「Server 2003からの移行促進」 (クラウドOSへの対応とモバイルデバイスのサポート)
(2013/12/4 06:00)
クラウドOSへの対応とモバイルデバイスのサポート
――では、そのWindows Server 2012 R2の特徴を教えてください。
Windows Server 2012 R2は、Microsoftが提唱しているクラウドOSへの対応とWindows以外のデバイスへの対応が大きな特徴といえます。
クラウドサービスのWindows Azureは、毎月、毎週アップデートが行われている。その基盤OSとして、Windows Server 2012 R2が使われています。
Windows Azureは、Windows Server 2012ベースで1年前にサービスが始まり、サーバーOSの開発チームがWindows Azureのチームからリクエストを聞き、日々アップデートを行いました。この集大成がWindows Server 2012 R2という形でまとめられたんです。
今回、Windows Server 2012 R2という形で提供しようというのは、Windows Server 2012で積み残した、クラウドOSコンセプトにしたがったさまざまな機能を入れ込んだので、このタイミングでリリースしようと考えたんです。
Windows Server 2012 R2のリリースにより、Windows Azureなどのクラウドとオンプレミスが、本当の意味でハイブリッドOSになるものだと考えています。
実際、ハイパーバイザーのHyper-Vでは、エミュレーションを外して、仮想化にチューンナップした仮想環境にしています。これにより、無駄なエミュレーションがなくなり、仮想環境においても高いパフォーマンスを示しています。
もう1つ重要なのが、サーバーに接続するクライアントデバイスが、Windows OS以外のiOSやAndroidなど、多種多様なデバイスに変化してきた現状があることです。
Windows Server 2012 R2では、ワークプレースジョインという機能を使って、iOSやAndroidやWindows RTなどのデバイスに対して、Active Directory(AD)の認証が利用できるようになりました。
また、iOSやAndroid、Windows RTなどのデバイスに対して、フォルダーを同期する「ワークプレースフォルダー」機能が用意されました。ワークプレースフォルダーは、社内のWindows Server 2012 R2に作られた個人フォルダーを、ノートパソコン、タブレット、スマートフォンなどさまざまなデバイスで同期して、利用することができます。
また、選択的にフォルダーをリモートで消去できるセレクティブ・ワイプ(Selective Wipe)の対象となっているため、もしタブレットやスマートフォンを紛失しても、簡単に業務フォルダーだけを消去することができます。
この分野では、Windows Server 2012 R2の機能ではありませんが、Windows 8.1のリリースに合わせて、iOSやAndroid用のリモートデスクトップ接続用のアプリを当社自身が無償で提供する、といった取り組みも行ってします。