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クラウドワークスの新事業は「BPO」、企業の業務アウトソースを後押し

 株式会社クラウドワークスは15日、新事業「クラウドワークスBPO」を開始した。同社スタッフをクラウドソーシングで業務を発注したい企業に常駐させ、業務のアウトソーシングに必要な組織体制を設計するほか、業務の分解やアウトソーシングのディレクションも担当する。まずは2016年の電力自由化を見据え、電力関連事業のアウトソーシングを促進させる考え。

 クラウドワークスは、Web上で企業と個人ワーカーをマッチングするクラウドソーシングを運営する企業。2015年5月には会員数60万人を突破し、クライアント企業も9万社に達している。一方で、クライアント企業が個人に業務を依頼するには、当座口座がないなどのハードルが存在するのも事実。これに対してクラウドワークスは、同社が取引を仲介し、企業間取引する「エンタープライズサービス」を提供している。

エンタープライズサービス契約金額
大企業クライアントの新規獲得につながった

 この進化形として、4月20日には「クラウドワークステクノロジーズ」という新サービスを発表した。個人に業務を委託することに不安を覚えるクライアント企業、より安定した収入をテレワークで得たいと望む個人ワーカーそれぞれの悩みを解決するため、同社のキャリアサポーターがクライアント企業と個人ワーカーの双方からヒアリングした上で両者をマッチング。条件合意した個人ワーカーは、クライアント企業で最低6カ月ほどのオフィスワーク期間を経た上で、在宅業務によるリモートワークへ移行する。業務内容はシステム開発やデザイン制作に特化しており、報酬100万円/月を超える高単価なお仕事も紹介されているのが特長だ。

クラウドワークステクノロジーズのお仕事の流れ
収入の安定化を実現する

 さらに今回、クラウドソーシングを活用するにあたってのクライアント企業側の悩みを解消するため、「クラウドワークスBPO」という新事業を開始。企業クライアントや個人ワーカーのそれぞれの業務形態がある中で、どのように自社の業務を切り分け、クラウドソーシングへ外注すればいいか分からないクライアント企業へ、クラウドワークスのスタッフが常駐し、組織体制の設計、業務の分解、アウトソーシングのディレクションを支援するというものだ。

 その内容について、同社は「クラウドソーシング化できる業務には限界がある。業務の一部はオンライン業務では物理的に不可能。クラウドワークスディレクターの常駐により、内部業務理解を進めた上で、オンライン・オンサイトを組み合わせたクラウドソーシングソリューションを提供する」としている。

クラウドワークステクノロジーズのお仕事の流れ
収入の安定化を実現する

 現在、モデル事業として電力関連事業者をクライアントとしてBPOに着手しており、スタッフの常駐を開始。補助金申請や電力会社向けの接続申請、電力需給管理といった煩雑な業務をアウトソーシングするための支援を開始したという。

 電力関連事業者の間では、2016年4月に控える電力小売全面自由化に向けて企業負荷が増加しており、今後もBPO需要の拡大が見込まれる。クラウドワークスはこれらの電力関連領域での電力小売リサーチ・マーケティング・経理・コールセンター・原稿制作・書類作成・監視などの業務のBPO推進を通じて、2018年内に10億円規模の業務のクラウドソーシング化をめざすとともに、一般企業へのBPOのマーケティング活動も展開していく方針。

サービス開始直後に、電力事業関連業務で年間6000万円規模の受注

川島 弘之