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Hyper-V上の仮想マシンをAzureにバックアップ、「Azure Site Recovery」提供開始
（2014/10/10 06:00）
日本マイクロソフト株式会社は9日、企業の事業継続計画（BCP）を支援するサービスとして、Windows Server 2012 R2 Hyper-V上の仮想マシンの複製先をMicrosoft Azureで実現する「Microsoft Azure Site Recoveryサービス（以下、ASR）」の提供を開始した。
ASRは、Windows Server 2012 R2 Hyper-V上の仮想マシンのディザスタリカバリ（DR）機能を実現するもの。仮想マシンのVHDイメージを定期的にAzure上にコピーし、災害発生時などにはAzure上の仮想マシンに切り替えて業務を継続できるようにする。
初期複製後は差分のみのコピーとなり、最短で30秒間隔でのコピーに対応する。サービスは、日本の2カ所（東日本、西日本）のリージョンを含む世界8カ所のリージョンで提供。バックアップ先が日本リージョンとなるため、データの保全や速度の面でも安心だとしている。
これまでも、複製元（プライマリサイト）と複製先（セカンダリサイト）の2つの環境を構築して、その間の制御をAzure側の管理ポータルから行うサービスを提供していたが、新たなサービスではバックアップ先がAzure上となるため、セカンダリサイトの構築および運用にかかるコストが削減できる。
ASRの提供開始に伴い、以下の16社から国内16社からASRを利用したディザスタリカバリサービスが順次提供される。
・アセンテック株式会社
・SCSK株式会社
・NECフィールディング株式会社
・エヌ・ティ・ティ・コムウェア株式会社
・株式会社エヌ・ティ・ティ・データ
・エヌ・ティ・ティ・データ先端技術株式会社
・株式会社大塚商会
・株式会社システムコンサルタント
・ソフトバンク・テクノロジー株式会社
・株式会社ティーケーネットサービス
・デジタルテクノロジー株式会社
・デル株式会社
・日本ビジネスシステムズ株式会社
・富士通株式会社
・株式会社富士通パーソナルズ
・株式会社富士通マーケティング
また、株式会社アイ・オー・データ機器、株式会社バッファロー、ロジテック株式会社の国内3社から、Microsoft Azureへのバックアップソフトウェアを同梱した、Windows Storage Server 2012 R2を搭載したNASアプライアンスが提供されることも発表した。
マイクロソフトでは、ASR（1VM）とAzure Backup（100GB分）のセットを、46％割引の月額2657円で提供するキャンペーンを実施する。キャンペーン期間は2014年10月1日～2015年6月30日。対象ライセンスはEnterprise Agreement/Enterprise Subscription Agreement（企業・公共機関向け）およびEES。
9日に開催した説明会で、日本マイクロソフトの佐藤久氏（サーバープラットフォームビジネス本部業務執行役員本部長）は、マイクロソフトではユーザーがオンプレミスやクラウドといった違いを意識せず、どこからでも同じようにサービスを利用できる「Cloud OS」の世界を目指しており、企業の場合はCloud OSのファーストステップとしては、事業継続計画や災害対策・災害復旧から始めてもらいたいと語った。
各社が提供するサービスとしては、大塚商会が開始したASR導入支援サービスを紹介。大塚商会では、Hyper-Vのレプリカ環境の構築・運用を代行するサービスを既に提供しているが、ASRの開始に合わせてASRの導入支援サービスも開始。今後はさらに、ASRの運用代行サービスも年内には開始する予定だとした。
また、Windows Server 2003からWindows Server 2012 R2へのマイグレーションにおいては、仮想化プラットフォームの導入も進んでおり、今後は管理対象サーバーとして仮想マシンが急速に増えるという予測を紹介。ASRにより、導入コストを抑えたディザスタリカバリを付加することで、多くの企業の事業継続を支援していくとした。
