“バーチャル試着”で洋服購入意欲は促進されるか、東芝が実証実験

　東芝ソリューション株式会社（以下、東芝Sol）と株式会社柿本榮三美容室（以下、kakimoto arms）は22日、ヘアサロンで美容施術中にタブレットで選んだ服を同じヘアサロン内で“バーチャル試着”した利用者が、実店舗で購入するかなどの顧客動向に関する実証実験を開始した。

　実証実験では、利用者はまず、kakimoto armsにて診断されたパーソナルカラーをもとに、美容施術中に貸し出されたタブレットを使って上下100着以上の洋服の中から気に入った組み合わせを選ぶ。施術終了後、店内に設置してある大型ディスプレイにて、選んだ服を自分の体型に合わせてバーチャルに試着できる。

タブレットを使ったコーディネート画面

　バーチャル試着システムは、東芝が監視カメラや画像認証システム分野で培ってきた高精度人物検出技術を応用した「体型センシング技術」で人のボディラインを検出し、同システム用に開発した「体型フィッティング技術」でボディラインに合うよう服の写真を画像処理することで、一人一人の体型に合わせた試着を実現している。あらかじめ準備する服の画像はサイズごとに撮影する必要はなく、服1枚につき1枚の写真で画像処理ができるため、商品の入れ替えが多いアパレル店舗のニーズにも応えられるという。

大型ディスプレイを使ったバーチャル試着

　バーチャル試着後は、その場で洋服購入時に利用できる割引クーポンを入手できる。それによって実店舗への送客効果が上がるかどうか、東芝および東芝Solが検証し、顧客ニーズの発掘を含めたマーケティングデータを収集する。

送客効果などを検証

　kakimoto armsはヘアカラーリストを育成しており、利用者一人一人の地毛の髪色はもちろん、瞳の色・唇の色・肌の色調といったパーソナルカラーを診断しながら、もっとも似合うヘアカラーリングを提案している。今回の実証実験で、施術前のパーソナルカラー診断カウンセリング、施術中のタブレット活用、最後のバーチャル試着を通じて、ヘアカラーに最も似合うパーソナルカラーに合わせたファッションコーディネートサービスを提供するという。

・期間
　2014年4月22日～5月31日
・場所
　kakimoto armsラゾーナ川崎プラザ店
　神奈川県川崎市幸区堀川町72-1　 LAZONA KAWASAKI PLAZA 2F
・対象
　kakimoto armsラゾーナ川崎プラザ店にて、美容施術を行う女性顧客