シマンテック、UI刷新で使いやすくなった「Backup Exec 2012」


「新版で日本シェア2位から1位を目指す」と語る代表取締役社長の河村浩明氏
パートナー経由で販売

 株式会社シマンテックは14日、中堅中小企業(従業員数100~1000名、システム数100台以下)向けデータ保護ソフトの新版「Symantec Backup Exec 2012」を発表した。同日よりパートナー経由で販売される。新版では、操作性の向上、仮想環境への強化、新しいシステム復旧方法などに対応したのが特長。価格は15万4200円から。

 同社が行った「2011年 中堅中小企業の災害対策状況に関する調査」によると、中堅中小企業では、実際にデータを喪失して初めて災害対策に取り組む傾向にあるのが分かった。また、半数がディザスタリカバリ(DR)計画について「現在実施中の計画はない」と回答、41%が「策定したことが一度もない」と回答した。同社では「この調査は準備を行わない場合のコストは高く、中堅中小企業のビジネスを危機に追いやることを裏付けている」としている。

 このような現状を踏まえ、Backup Exec 2012では中堅中小企業に向けて、簡単かつ確実にデータ保護を行えるよう設計された。


アイコンで見栄えするUIに刷新

 まず、ユーザーインターフェイス(UI)を刷新。全体的にアイコンを活用したUIに変え、バックアップ設定も3クリックで完了する明快さを実現した。また、以前のジョブ単位のバックアップ設定をサーバー単位の設定へ変更。バックアップ状況の一覧も煩雑なジョブ単位ではなく、保護対象となるサーバー単位とすることで、管理画面をスッキリさせた。もちろん、ジョブ単位までドリルダウンすることも可能だ。

 このUIには「Backup Execユーザーコミュニティ」から収集した情報も組み込まれている。それを基に、バックアップに関する設定テンプレートがあらかじめ登録されており、設定内容が自動適用されるようになっている。

UI刷新でサーバー単位の状況確認・設定を実現旧版と比べるとアイコンが多用されスッキリとした



仮想環境への対応を強化

仮想環境への対応を強化

 次に、仮想環境への対応を強化した。仮想環境に向けては、「V-Rayテクノロジ」という技術を提供している。これはVMware/Hyper-Vにおいて、X線のように透過的に仮想マシンの状態を可視化するもので、データをコピー・マウントすることなく、物理環境と同様にファイル単位できめ細かなリストアを可能にする。

 これにより、仮想・物理環境の可視性を実現。ユーザーは仮想環境向けバックアップ製品を別途用意することなく、Backup Exec 2012単体で仮想・物理環境に対して、ファイル単位のリカバリ機能、アプリケーションレベルでの復旧機能、重複排除機能、バックアップ管理機能を利用できる。

 ライセンスもホスト単位とすることで、仮想マシンを集約するほどにお得となるよう、仮想環境での導入・ライセンス管理をシンプルにしている。


ディザスタリカバリ機能を強化

 このほか、新しいシステムリカバリ機能「Simplified Disaster Recovery(SDR)」を搭載した。異なるハードウェアにOSを含むシステム全体を復旧する技術で、従来のようにDRサイトに同スペックのハードウェアを用意しておく必要がなくなる。また、障害が発生したシステムを、物理サーバー・仮想マシンのどちらにもリカバリできるのが特長。物理から仮想への変換(P2V)や仮想へのバックアップ(B2V)に対応するため、「専用ハードウェア不要のDR」が可能となる。


スクリーンショット

 ラインアップとしては通常版と機能を制限した「Small Business Edition」を用意。価格は保護対象のサーバー1台で15万4200円(税別)から。

関連情報