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インテル日本法人、設立50周年記念式典を開催――米CEOが語った「日本市場の重要性」とは

楽天グループ・三木谷氏や富士フイルムHD・後藤氏らが祝辞

 インテル株式会社は2026年4月28日に、日本法人の設立から50周年を迎えた。それに合わせて10月7日、東京・内幸町の帝国ホテルで、「インテル株式会社 設立50周年記念式典」を開催した。会場には、IT産業関係者や取引先、政界関係者など約4000人が参加。米Intel Corporationのリップブー・タンCEOをはじめ、本社幹部も駆けつけた。

式典では「The Next Fifty Starts Now」のメッセージが掲げられた

 東京オリンピック空手女子形の銀メダリストである清水希容氏の空手演舞によるオープニングパフォーマンスのあと、登壇したインテルの大野誠社長は、「ここにいる人たちとのつながりや縁がなければ、インテル日本法人の50年はなかった。感謝の気持ちを胸に、これからの50年につなげていきたい」とあいさつした。

インテル代表取締役社長の大野誠氏

 また、米Intel Corporationのリップブー・タンCEOは、「インテルにとって、日本は極めて重要な市場である。最初に参入を図った市場であり、世界初のノートパソコンの導入にも貢献し、『Intel Inside』のフレーズも日本から生まれた。そして、いま取り組んでいる最新のパッケージング技術も、日本のパートナーとの連携なしには実現しないものである。日本との重要な関係はこれからも継続していくことになる」と述べた。

米Intel Corporationのリップブー・タンCEO

 さらに、米Intel Corporation 副社長兼アジア太平洋・日本地域担当のサントッシュ・ビスワナタン氏は、「この50年間の歩みはゴールラインではなく、これからの素晴らしい50年間の始まりである。インテルの成長は、日本とのパートナーシップによって成し遂げられた。今日は、日本の伝統である鏡開きを行う。この素晴らしい伝統によって、新たな始まりをたたえたい」と語った。式典の最後には、インテルの関係者と来賓、ゲストなどがステージに登壇し、鏡開きを行った。

米Intel Corporation 副社長兼アジア太平洋・日本地域担当のサントッシュ・ビスワナタン氏

 記念式典では、来賓として4人が登壇した。

 経済産業省 商務情報政策局長の門松貴氏は、「日本のビジコン社との協業で生まれたインテル4004をはじめ、日本発となるノートパソコンや有機基板技術、製造の自動化など、数多くの日本企業が持つイノベーションが、インテルの成長と世界のデジタル化を支えてきた。政府は官民投資ロードマップを発表し、戦略17分野に対して、2040年までに370兆円超の投資を想定しているが、半導体を安全保障上の極めて重要な投資と位置づけ、最大規模となる68兆円の官民投資を見込んでいる。2040年に国内で生産する半導体の売上高は40兆円を実現したいと考えている。インテルは先端半導体分野で、日本の企業と積極的に共同研究を進めている。日本政府もこれをサポートしたい。この関係が次の50年のイノベーションを切り拓くことを期待している」と述べた。

経済産業省 商務情報政策局長の門松貴氏

 駐日米国大使のジョージ・E・グラス氏は、ビデオメッセージを送り、「インテルは、カリフォルニアで創業してからわずか8年で、日本での存在感を確固たるものにした。そして、50年以上にわたり、日本の産業界や政府と協力し、プロセスを効率化し、システムを向上させ、働き方と生活様式を変革してきた。ロバート・ノイスとゴードン・ムーアが最初の汎用マイクロプロセッサーを発表し、日本の電卓メーカーから委託を受けて以来、インテルは、半導体の革新で世界をリードしてきた。挑戦と進歩、繁栄をもたらすパートナーシップである」とした。

駐日米国大使のジョージ・E・グラス氏

 楽天グループ 代表取締役会長兼社長 最高執行役員の三木谷浩史氏は、「楽天は、来年に30周年を迎える。インテルのプロセッサーなしでは、楽天の成長の歴史を語れない。1997年5月に楽天市場をオープンしたときの月間売上高は30万円。そのうち、私が20万円を購入していたので、実際には10万円であった。いまでは流通総額が50兆円に達している。そのころから考えていたのは、半導体のスピードはムーアの法則に沿って発達するということである。30年間で106万倍のスピード向上となっており、この発展はインテルの偉大なイノベーターたちによって支えられてきた。楽天は、Open RANに取り組んできたが、これは世界中の通信事業者が不可能だといっていたものであり、インテルが手を差し伸べてくれた結果、この技術が完成した。インテルのテクノロジーをベースに、パートナーシップを強化し、誰もが安価に、速く、どこでもつながるネットワークを構築したい」と語った。

楽天グループ 代表取締役会長兼社長 最高執行役員の三木谷浩史氏

 また、富士フイルムホールディングス 代表取締役社長 CEOの後藤禎一氏は、「インテル日本法人は、日本での販売、マーケティングを担うと同時に、技術交流のハブであるサプライチェーンの要の役割を果たしてきた。インテルとのビジネスの始まりは、1980年代である。たった1本のドラムの納入であった。いまでは世界をつなぐ強力なパートナーシップがあり、先端材料や先端半導体製造技術をともに生み出している。かなり前に米国において、富士フイルムが調達した原材料が品質問題を起こしたことがあった。すぐにインテルと合同チームを発足し、米国東海岸のサプライヤーの工場に出向き、原因を突き止めた。これが、その後のサプライヤーの管理を大きく見直すことにつながった。インテルは、富士フイルムに対して、世界最高水準の品質とは何か、スピードとは何か、サプライヤーとしての責任は何かを教え、強くしてくれた存在である。顧客であり、師匠でもある」と位置づけた。

富士フイルムホールディングス 代表取締役社長 CEOの後藤禎一氏

 なお、後藤社長CEOは、あいさつのなかで、「半導体材料メーカーとして、富士フイルムを宣伝するため、『インテル入っている。富士フイルムも入っている』というメッセージを考えた。だが、部下からは『インテル入っている。富士フイルムも入っていたけど、洗浄工程で流されて、もう入っていない』というのが正しい表現であると言われた」と語り、会場は大きな笑いの渦に包まれた。

 乾杯の音頭は、自民党半導体議連の名誉会長である甘利明氏が取った。

 「我々の世代にとって、インテルは半導体の代名詞である。インテルは苦難を乗り越えて、復活の途上にある。だが、これを実力と思わない方がいい。実力にするために、24時間365日、決して緊張を切らさないという気持ちを持ち続ける必要がある。そうすれば、インテルの復活は間違いない。60周年はさらに素晴らしいものになる」とエールを送った。

乾杯の音頭を取った甘利明氏
設立50周年記念式典の会場入り口
式典会場入り口で来場者を迎えるインテル コーポレーションのリップブー・タンCEO(右)と、インテル代表取締役社長の大野誠氏(左)
清水希容氏の空手演舞は、東京オリンピックの決勝で披露した型だという
ステージでは関係者による鏡開きが行われた
ショーケース会場ではインテルの最新技術などを展示した
インテル Core Ultraシリーズ3プロセッサー搭載PCを展示
純国産生成AIである「PLaMo」によるリアルタイム会議翻訳などのデモンストレーション
インテルプロセッサーを搭載したオープンソース四脚ロボット「MEVIUS2」
ロボットのリアルタイム制御の様子をデモンストレーションした
清水氏の演舞をモーションキャプチャーによりロボットで再現したデモンストレーション
50周年記念プレミアムゲーミングPCを展示
50周年記念のロゴが入っている
インテル Arc搭載次世代ハンドヘルドゲーミングの体験コーナー
インテルが取り組む次世代AI人材育成とSTEAM教育の未来の展示