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富士フイルムBI、A3カラー複合機「Apeos C7072シリーズ」を発表 AI・クラウド連携で情報活用プラットフォームへ進化

 富士フイルムビジネスイノベーション株式会社は、A3カラー複合機「Apeos C7072シリーズ」を10月29日に発売する。出力機としての機能にとどまらず、情報を取り込み、クラウド・AIによって情報を活用するためのプラットフォームとしての機能を拡充した。また、環境負荷低減も図り、省エネ、保守効率化、再生材の活用、リユース・リサイクルを考慮した製品設計などを実施したという。

Apeos C7072シリーズ

 新製品のコンセプトについて、富士フイルムビジネスイノベーション 取締役 執行役員 デバイステクノロジー事業本部 副本部長の山田竜一氏は次のように説明した。

 「今回の新製品は、企業の『知』の活用と、環境負荷低減を実現する新世代複合機をテーマとしている。それを実現するためのポイントとなるのが、1点目は我々がソリューション企業への変革したことを象徴する商品であるということ。機器とソリューションを一体にして提供することで、AI時代におけるお客さまの働き方の変革を支援していく。2点目は、複合機を情報活用のプラットホームへと進化させたこと。AIとクラウドを活用して情報を整理し、構造化して企業の知として活用できる環境を提供する。3点目はデザイン性と環境価値を両立していること。利便性、デザイン性を維持しながら、製品ライフサイクルおよび保守サービスでの環境負荷低減を進めていく」。

富士フイルムビジネスイノベーション株式会社 取締役 執行役員 デバイステクノロジー事業本部 副本部長の山田竜一氏

 また、このコンセプトの背景として、「企業はAI活用を進めようとしているものの、企業データの大部分が非構造化データであることが課題のひとつ。もうひとつ、環境負荷低減は、企業の持続的な成長には不可欠な要素となってくる」(山田取締役)と説明した。

 富士フイルムビジネスイノベーションでは、REiLI BusinessというAI技術ブランドを持っている。富士フイルムグループが長年培ってきた画像・自然言語処理技術などのコア技術を基盤に、AIエージェント群を展開。企業内の情報やナレッジ、ノウハウを構造化および利活用して企業の成長を支援し、規模や業種を問わずすべての企業がAIで独自の価値創造に挑める社会を目指すもので、新製品についてもさまざまなAI技術を活用している。

 Apeos C7072シリーズは、企業内に存在する紙文書を迅速に電子化し、組織内で共有・活用していくために、新開発の自動両面原稿送り装置を全機種に標準搭載。両面読取時最大300ページ/分の高速スキャンに対応した。名刺やレシートなどの小サイズ原稿やサイズの異なる原稿をまとめて読み取ることができ、企業内に存在するさまざまな紙文書の電子化を効率化していく。

 複合機本体に、クラウドサービスとの連携機能「Apeos Cloud Extension」を搭載。認証設定や複雑なシステム構築を必要とせず、スキャン文書やFAXデータをクラウドに自動で保存することができる。また、OCR技術により文書内の文字を認識し、ファイル名を自動付与して文書整理を支援する機能により、導入直後から文書の電子化、共有、活用をスタートできる。

 複数の領収書や名刺をまとめて読み取り、自動で個別のファイルに分割して保存する「マルチクロップ」、図面上に追記された赤字のメモなど指定した色を除いた状態で電子化できる「ドロップアウトカラー」など、紙文書を扱いやすい電子データへ変換する機能を搭載し、経費精算や文書管理などの日常業務を効率化していくとした。

読み取った原稿は、クラウドを介してパソコンに取り込み、AIによって分類された状態で、手間なく作業することができる

 本体の操作については、見やすさと操作性を高めた新操作パネルを搭載。色の再現性が高く、広い視野角を備えたIPSパネルを採用している。

新操作パネル

 「AI Readyとするために複合機の再定義を行った。複合機とクラウドを切り離して考えるのではなく、複合機とクラウドを一体で提供することで、複合機から取り込まれた情報は、自動的にAI Readyで保存される。今後、MCPサーバーなどを介して、ドキュメント情報が基幹システムなどとリンクし、情報の価値を高めていく」(取締役 常務執行役員 チーフ・テクニカル・オフィサー・鍋田敏之氏)。

自社のAIにより、企業の“知”を、ビジネスの意思決定へ
富士フイルムビジネスイノベーション株式会社 取締役 常務執行役員 チーフ・テクニカル・オフィサー(CTO) 鍋田敏之氏

 今回、情報活用と共にポイントとしている環境負荷低減については、AIが複合機の使われ方を学習し、利用実態に合わせてスリープ時間を自動で最適化する。独自のレーザー光源「Smart Addressable VCSEL」を活用した空間センシング技術を開発した。空間センシング技術によって、操作を意図する利用者のみを広範囲で識別し、利用者が近づくとスリープから起動する。

 AIが機器の利用状況と利便性を学習し、低電力モードやスリープモードへの移行時間を自動で最適化する機能「AIおまかせ節電」により、快適な操作性を維持しながら待機時の電力消費を抑える。スリープから立ち上がるまでの時間を短縮し、利用者がいない場合はスリープモードにすることで省エネを実現している。

「我慢する省エネ」から「意識しない省エネ」へ

 保守サービスにまつわる進化も実現。異音判定AIを搭載し、2つの内部センサーとAIが異音を自動検知し、診断用データを生成する。「お客さまからトラブルが起こったとの連絡が入り、担当者が保守サービスに出向いた場合、トラブルが再現されないことも多い。診断用データを生成していくことで、原因パーツ候補の特定、訪問回数の最小化といったことを実現し、環境負荷低減につながっていくことになる」(鍋田取締役)。

保守サービスを深化させ、CO2排出量も削減する

 製品デザインについても再生材の採用しながら、高品質となるような外装となっている。また、再利用のしやすさにも着眼し、再資源化しやすい構成としている。

リユース・リサイクル設計を、デザインの価値へ

 低温定着性能を実現したトナー「ELFEAT(エルフィート)」と、低温定着に対応した定着器を採用した。これにより、従来製品に比べて定着時の消費電力を削減し、低消費電力化を実現した。

 なお、クラウドとの連携などによって複合機を情報活用プラットフォームとして活用してもらうためには、ユーザーに新しい機能を理解してもらうことが必須となる。そのために富士フイルムビジネスイノベーションでは、「60年以上直販でお客さまと関わり、お客さまの業務に深く入り込んで業務改善などの支援を行ってきた。我々のセールス担当者やSEが丁寧に説明していく。製品発売後は、さまざまな都市でフェアや、代理店・特約店向けの説明会などを徹底し、丁寧に販売していく」(山田取締役)と説明している。

 また、「製品発売前となる5月に、横浜市のみなとみらい事業所に、ワンフロアにソリューション販売担当や複合機担当など、異なる事業部門の担当者が集まり、意見共有などができる体制とした。そのワンフロアで意見を交わしながら製品化していったのが、今回のApeos C7072シリーズとなる」(鍋田取締役)と同社自身がソリューション企業へと変革するための内部改革を進め、その上で製品開発を行ってきたと説明した。

Apeos C7072シリーズ