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三井情報とNTTドコモビジネス、広域分散GPUを活用した大規模ゲノム解析の共同実証を実施

 三井情報株式会社とNTTドコモビジネス株式会社は5日、全国広域分散GPU実証環境「GPU over APN Testbed」を活用した、バイオ分野のゲノム解析における分散ワークロードに関する共同実証を実施したと発表した。

 実証では、三井情報が研究開発を進めるストレージアクセスなどのワークロード最適化技術と、ゲノム解析データの高速検索技術を組み合わせ、「GPU over APN Testbed」初の実証実験として、先進的な分散GPU環境における大規模ゲノムデータ解析を実施した。その結果、解析時間を25~29%程度に短縮させることに成功した。

 両社は、ゲノム医療推進法の施行や個人情報保護法改正などを背景に、国内におけるゲノムデータの利活用が進んでいる一方で、研究現場ではゲノムデータの急速な増加に対し、人的資源や計算資源の不足が課題となっていると説明する。さらにGPU、メモリ、ストレージなどの高性能な計算資源の高騰や供給の制約も顕在化している。

 特にPB(ペタバイト)級のゲノム解析データを対象とした検索・解析では、従来の計算環境において処理に数日を要する場合もあり、研究者の仮説検証サイクルや研究生産性の向上が求められている。

 一方、生成AIやデータ利活用の進展によりGPUの需要が急増する中、単一のデータセンターでは、収容能力や電力容量の制約などにより必要なGPUリソースの確保や電力供給の制約といった課題が顕在化している。

 NTTドコモビジネスは、こうした課題に対し、低遅延・高速大容量通信を実現するIOWN APNを活用して地理的に離れた拠点のGPUを一体的に利用する分散GPU技術の実証を進めてきた。そして、2026年7月には全国8か所に分散されたGPUで計算処理が可能な「GPU over APN Testbed」の提供を開始した。

 こうした背景を踏まえ、三井情報とNTTドコモビジネスはゲノム解析データの高速検索技術および、IOWN APNを活用したGPUの広域分散技術を組み合わせ、ゲノム解析における課題解決に向けた共同実証を実施した。

 実証では、NTTドコモビジネスが提供する全国広域分散GPU実証環境「GPU over APN Testbed」と、三井情報が研究開発してきた技術を活用して、ゲノム解析のユースケースを、札幌から福岡まで全国5拠点に分散配置されたGPU環境上で実行した。実証は、単なる高速検索の性能検証ではなく、「GPU over APN Testbed」上で実際の研究用途を想定したゲノム解析ワークロードを適用し、その実用性を検証している点が大きな特長となっている。

 実証の結果、各ユースケースにおいて1拠点での分析処理時間と全国5拠点での分散処理時間を比較して、解析時間が25%~29%に短縮されることを実証した。

「GPU over APN Testbed」の概要図
検証構成の概要図(首都圏のストレージにゲノム解析データを格納し、全国5拠点のGPUで分散解析を実施)

 両社はそれぞれの強みを組み合わせることで、分散GPU技術の実用化に関する知見を蓄積し、ゲノム解析をはじめとしたデータ集約型研究分野における計算資源活用の高度化に取り組む。これにより、研究環境の発展に貢献することで、全国の病院、大学、研究機関などにおける研究活動の促進とデータ利活用のさらなる発展を目指す。

 また、三井情報は、研究開発で培ったワークロード最適化技術やゲノム解析データ高速検索技術に関する知見を生かし、増加するゲノム解析データの効率的な活用に向けた研究開発を継続する。

 NTTドコモビジネスは、パートナー企業と共にさまざまな産業における大規模なデータ解析におけるユースケースの創出を推進する。加えて、「AI-Centric ICTプラットフォーム」構想のもと、GPUの分散コンピューティング技術の知見をNTTドコモビジネスの「GPUaaS」などに活用し、大規模なAI処理が可能な基盤の提供を目指す。

 今後、両社は実証で得られる知見をもとに、増加するゲノム解析データへの対応や限られた計算資源の有効活用に向けた検討を進めることで、研究機関や医療分野におけるデータ利活用の高度化と研究生産性の向上への貢献を目指す。