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KDDI、AI時代の企業ネットワーク基盤「AccelWaves」構想を発表 SASE一体型サービスや自律型ネットワークを展開
2026年9月30日 06:15
KDDI株式会社は、AI時代の企業ネットワーク基盤「AccelWaves」構想を9月29日に発表した。AI時代に向けて、企業のネットワーク、セキュリティ、運用を統合し、一体的に提供するものだ。
そして、AccelWaves構想のサービスとして、セキュリティ機能の一つである「SASEゲートウェイ powered by Palo Alto Networks」(同9月29日提供開始)と、自律型の運用機能を持った企業向けネットワークサービス「AccelWaves Network」(2028年度提供開始予定)も発表した。
同日、KDDIは記者説明会を開催。KDDI株式会社 ビジネスコア事業本部 プロダクト企画開発本部長 堀純二氏が、「AccelWaves」構想と、「SASEゲートウェイ powered by Palo Alto Networks」、「AccelWaves Network」について説明した。
堀氏は背景として、AIエージェントによってトラフィックの量が増え予測も難しくなってくることや、フロンティアAIによるサイバー攻撃の高速化・巧妙化でリスクが拡大していることを挙げた。また、それに対して、ネットワークの継ぎはぎの運用が限界にきており、従来の積み上げ式の防御ではAI時代への対応が困難という、情報システム部門の声を紹介した。
それに応えて、ネットワーク、セキュリティ、運用を一体で提供するのが「AccelWaves」構想だと堀氏は説明した。
SASEと広域企業内ネットワークを一体化した「SASEゲートウェイ powered by Palo Alto Networks」
「SASEゲートウェイ powered by Palo Alto Networks」は、ゼロトラストネットワークアクセスのためのSASEゲートウェイを、KDDIの企業向け閉域網サービスと直結し、一体化して提供するもの。AccelWaves構想の中で、ネットワークとセキュリティを一体化した「Security as a Service」の第1弾となる。
まずは、企業向けの広域イントラネットサービスであるWVS/WVS2の顧客向けに提供を開始し、今後ラインアップを順次拡大していくという。
技術要素としては、Palo Alto NetworksのクラウドネイティブSASEソリューション「Prisma SASE」と、それを閉域網に直結する「SP Interconnect(SPI)」の技術を採用している。これらの導入から運用までをKDDIとPalo Alto Networksが支援。さらに、セキュリティログ解析による監視サービスをオプションで提供する。
KDDIではこれまでも、Prisma SASEを外販する形で「ゲートウェイセキュリティ powered by Prisma Access」を提供してきた。このサービスやそのほかのSASEを利用した場合には、ネットワークサービスとは独立したサービスであるため、ネットワークやセキュリティのポリシーが分散し、管理が複雑化するという課題があった。
それに対して今回の「SASEゲートウェイ powered by Palo Alto Networks」では、ネットワーク(閉域網)とSASEが一体化しており、統一されたセキュリティポリシーで一元管理できるようになる。これにより、セキュリティガバナンスの強化や運用の効率化を実現するという。
なお、このサービス提供にあたり、KDDIではPalo Alto Networksと戦略的なパートナーシップを結んだ。記者説明会には、パロアルトネットワークス株式会社 代表取締役会長兼社長 アリイ・ヒロシ氏と、通信&ITソリューション事業本部 事業本部長 井元俊行氏も登壇した。
アリイ氏は、AIを利用した攻撃によって脅威の数もスピードも増えている中で、個別のソリューションで対応していては追いつかないため、包括的なプラットフォームで管理しないといけないと語った。
また井元氏は、SP Interconnectについて解説した。従来のSASEはオンプレミスのサーバーとの間をインターネット経由のVPNで接続していたため、セキュリティや通信オーバーヘッドの問題があったという。それに対して今回のサービスでは、SP InterconnectによりKDDIのWVS2とバックボーンで直結しているため、そうした問題がなく、高品質なネットワークが利用できると語った。
KDDIの堀氏は、先行導入顧客の声も紹介した。あかつき証券株式会社では、ネットワーク運用の複雑化とセキュリティ管理の高度化が課題となっていたところに、今回のSASEソリューションを採用。「ネットワークとセキュリティを統合的に管理し、運用効率と安全性の向上が可能になると期待している」というコメントが紹介された。
自律的に帯域変更やセキュリティインシデント対応をこなし、運用を助ける「AccelWaves Network」
もう一方の自律型ネットワークサービス「AccelWaves Network」について、堀氏は「(企業向けネットワークサービスの)WVS2をAI時代に向けて進化させたもの」と説明した。
ちなみに、WVS/WVS2とAccelWaves Networkの関係については「現時点でWVS/WVS2の提供の終了は決まっておらず、当面はサービスを継続する。WVS/WVS2とAccelWavesの相互接続ができる仕組みも準備する予定」とのことだった。
その特長、特にWVS2からの進化について、「オートフィット」「オートレスポンス」「オートオペレーション」の3つを堀氏は挙げた。
「オートフィット」は、トラフィックに応じて回線の帯域を柔軟に自動的に変えられる機能だ。回線単位では、パケットロスを検知すると自動的に帯域を拡張して対応。ネットワーク単位では、拠点間で帯域をシェアして全体で通信変動に対応する。さらに、データセンターやクラウド、AI基盤などについて、ピンポイントで帯域を広げることもできる。
WVS2では、利用企業がポータルから手動でオンデマンドに帯域を変更することはできた。今回はそれに加えて、AIで今後のトラフィックを予測して帯域を自動で拡張できるという。「これによって、24時間張り付いて監視し、必要に応じて拡張を申し込むといった作業から解放される」と堀氏は説明した。
「オートレスポンス」は、セキュリティインシデント発生時に、自動で被害箇所を特定し、検知・隔離して、被害を最小化する機能だ。人間が被害箇所を特定して被害状況に応じた対処をするかわりに、ネットワークが自動的に対応し、被害の拡大を防ぐ。なお、この仕組みは特許出願中だという。
「オートオペレーション」は、運用を効率化する機能。1つのポータルで、ネットワークの利用状況やセキュリティの脅威、拠点の稼働状況を一元的に確認できる。さらにAIが自律的に運用サイクルを回し、管理者である人間は重要な判断に専念できるという。
AccelWaves構想の本格始動に向けては、「パートナーとグループ会社の強みを結集して、今後拡張していく」と堀氏。2026年度は、顧客企業の喫緊の課題であるセキュリティ領域から進める。そのうえで、ネットワークや、グループ会社のLACによるマネージドセキュリティサービスなど、段階的に広げていき、顧客の提供価値を拡大していくと、同氏は語った。












