週刊データセンターWatch:

【データセンター用語集】サーマルスロットリングとは

 あるシステムに対して過度の負荷がかかった際に、意図的に性能を下げたり、要求の受付を制限するなどして、機能の継続を優先させるための制御・運用のことをスロットリング(Throttling)と呼ぶ。サーマルスロットリングとは、おもに熱に起因するスロットリングのことを指し、例えばPCやサーバーでCPUなどが高温になった場合、故障を防ぐために計算処理速度をあえて落とす処置などが行われる。なお動詞としてのThrottleの意味は「絞める」「絞る」など。

 ITの世界においてスロットリングは広範に使われている概念で、通信ネットワークにおけるアクセス集中時の性能低減措置などでも、表現として用いられる。とはいえ、より著名なのは、熱が起因のサーマルスロットリングであろう。PCで高画質なゲームを楽しむ場合、開始時は問題なくても、稼働が長時間になってくるとCPUやGPUに負荷がかかって熱を持つようになり、ファンによる空冷ではチップを冷やしきれず、結果として画質やFPS(1秒あたりの描画回数)を落とす処理が発生する。スマートフォンにおいても、動画撮影が長時間になって本体が熱を持つと、途中でカメラ機能がストップしたりするが、これも一種のサーマルスロットリングだと言える。

 データセンターにおいても、サーマルスロットリングは無関係ではない。機器の故障を24時間365日監視したり、サーバールーム全体の温度を空調で一定に保つための行為も、サーマルスロットリング抑止措置に他ならない。また、AIインフラとして欠かせないGPUサーバーは特に発熱が大きい。演算性能をフルに発揮させるためにも、冷却性能がより高い液冷(水冷)のニーズが高まっている。