ニュース
富士通、小売業の店舗運営と経営判断を高度化する「4つのAIエージェント」と実行基盤を開発
2026年10月14日 16:30
富士通株式会社(以下、富士通)は6日、小売業の店舗運営と経営判断を高度化する4つのAIエージェントと、その実行基盤のトライアル環境を提供開始した。これらのAIエージェントを活用した実証実験を小売業7社と順次開始する。なお、AIエージェントおよび実行基盤の正式提供開始は2027年6月を予定する。
今回富士通が提供を開始したのは、1)売上構造分析、2)顧客ロイヤリティ分析、3)販売計画(MD計画)、4)店長支援――の各AIエージェント。小売業が抱える課題に対して、データからインサイトを引き出して具体的な施策につなげることで、店舗運営と経営判断の高度化を実現するという。
1)は、売上拡大や収益性向上に取り組む企業に対して、売上を構成する要素ごとに分解・可視化し、売上構造の偏りや成長余地を明確にすることで、利益最大化のための具体的な施策と効果予測を提示するもの。商品管理部門やエリアマネージャーは、店舗やエリアごとの実績を比較し、課題に応じた商品構成の見直しなどをデータに基づいて迅速に意思決定できるようになる。
2)は、膨大な顧客データから顧客行動の特性を抽出し、利用頻度やポイント利用率といった属性情報では見えない購買の動機や離反要因を可視化して施策を提示するもの。マーケターは、個々のニーズに即した施策やサービス改善を通じて、収益の拡大と優良顧客の創出が可能になるとした。
3)では、マーチャンダイザーがこれまで膨大な時間を費やしていた販売計画の策定を支援可能。トレンドや顧客ニーズ、競合環境などの市場変化を踏まえ、商品別・店舗別に販売計画を早期に立案するとともに、店舗ごとの適切な在庫配分を提案する。また、販売開始後も売れ行きを見極め、在庫移動により欠品を回避して販売機会を逃さない施策を示すほか、細かいカテゴリ別の販売計画の策定や実績に基づく検証サイクルの短縮により、計画精度の向上を実現するとしている。
4)は、店舗の売上データに加えて、商圏や店舗特性、天候、SNSなどの外部情報を統合的に分析し、売上を最大化する品ぞろえや棚替えの提案を行うもの。店長は、手作業での分析時間を短縮し、経験や勘だけではなくデータに基づいた施策を迅速に実行できるようになる。
また今回は同時に、これらのAIエージェントの実行基盤も提供する。AIエージェントの実行基盤であるとともに、流通・小売業に関わる多様なデータと業務機能をつなぎ、流通・小売業向けのAIトランスフォーメーションを担う「Uvance for Retail」でのAI活用を支援する共通基盤に位置付けられた。データの蓄積・加工や権限管理などの共通機能を備え、AIエージェントによるデータ分析や需要予測、業務に応じた提案、各種業務の自動化などを支援する。
また、業務や利用シーンに応じてAIエージェントや機能を拡充することで、さまざまな業務へのAI適用と、継続的な業務変革に貢献する。富士通では、この基盤を「Uvance for Retail」を支えるAI活用基盤として、継続的に成長させていく考えだ。

