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BIGLOBE、OpenFlowを活用したデータセンター仮想化を実現

 NECビッグローブ株式会社(以下、BIGLOBE)は22日、サーバーとネットワークをソフトで一括制御するデータセンターの仮想化を実現し、4月より運用を開始したと発表した。従来のサーバー仮想化に加えて、ネットワークの仮想化を新たに行うことで、サーバー/ネットワークインフラの構築期間を、約2週間から約10分に短縮したという。

 2008年ごろから広がったサーバー仮想化については、近年では当たり前のように使われるようになったが、ネットワークについては仮想化への取り組みが遅れており、構築や変更のたびに多くの機器に複雑な設定が必要になるなど、運用効率がデータセンターでの課題になっていた。

 そこでBIGLOBEでは、OpenFlow技術をベースにNECが開発した「ProgrammableFlow」と共通の基盤を活用し、BIGLOBEデータセンターのネットワークを仮想化。2012年9月よりSDN(Software-Defined Network)による運用を行っているという。

 また、仮想化したサーバーとネットワークを連携させ、一括制御するクラウドコントローラ「momiji」を、オープンソースをベースにして独自に開発したことで、データセンター全体の仮想化を実現。これにより、従来は手動で行っていたネットワークリソースの確認、機器1台1台へのIPアドレスやインターフェイス番号の割り当て・設定、サーバーとネットワークの接続をすべて自動化した。

 従来、これらの作業には約2週間を要していたが、「momiji」導入後はサーバー台数、ネットワーク機器の種類など10項目ほどを入力するだけになったため、約10分で完了するという。

 さらには、仮想化したスイッチ間の接続にはトンネリングプロトコルのVXLANを採用したことで、スイッチやルータなど、既存の物理ネットワーク装置の設定を変更せずに、複数拠点が接続できるようになった。例えば、企業内の基幹システムや、他社データセンター上にある既存システムと、BIGLOBEデータセンターに構築したサービスも接続できる。

 なお、開発した「momiji」は、OpenFlowコントローラ、ネットワークサービスコントローラ、サーバーコントローラなど、制御する機能別にコントローラがモジュール化されている点が特徴とのこと。各コントローラは個別に開発され、機能ごとにバージョンアップできるので、新しい製品や規格、ユーザーのニーズの変化に対し、素早い対応を行えるとしている。

(石井 一志)