Enterprise Watch
最新ニュース

「サーバー移行と環境可視化、両ツールの連携で大きな価値を提供」-PlateSpin CEO

仮想化環境での実績も強み、仮想マシンの25%にかかわる

 古くなった物理サーバーの移行を検討する場合や、複数の物理サーバーを統合して仮想サーバーへ移行しようとする場合などには、煩雑な作業が発生し、管理者は頭を悩ませることになる。そんな管理者を支援するためのソフトとして近年注目されているのが、移行ツールだ。カナダの企業であるPlateSpinも、移行ツールを提供している有力なベンダーの1つ。今回は、PlateSpinの創設者で、現在もCEOを務めるスティーブン・ポラック氏に、同社製品の特徴などを聞いた。


PlateSpinのスティーブン・ポラックCEO
―製品としては、物理・仮想サーバーの移行を支援するツール「PowerConvert」と、プロファイリングを行う「PowerRecon」をお持ちですが、実際の導入例では両製品を併用するものが多いのでしょうか?また、仮想化よりも物理サーバーの移行で利用されるケースの方が多くなっていますか?

ポラックCEO
 古くから販売しているのはPowerConvertの方ですので、まだ大部分のお客様は移行のみを使っており、プロファイリングと移行の両方を使っているお客様は少数です。一方で、使い始めたばかりのお客様は、まず展開前にプロファイリングのみを使ってみる、という方もいらっしゃいます。いずれにしても、プロファイリングと移行の統合によってもたらされる価値は、だいぶ浸透してきていますから、双方を1つの大きなプロジェクトとして実効する方が効率的だ、と考えるお客様が増えているのは事実です。

 仮想サーバーと物理サーバーではどちらが多いか、ということでは、会社設立後の2~3年は、(物理サーバーから仮想サーバーへの移行を行う)P2Vソリューションをまず提供してきたので、お客様の絶対数はそちらの方が多いですね。仮想マシンは現在200万~250万ほどが存在しているといわれていますが、そのうち50万程度に当社がかかわっています。もっとも、現在提案しているお客様の中には、(物理サーバー同士の移行を含めた)全体像を考えていらっしゃる方が増えていますね。


―仮想マシン全体の25%程度にかかわっているということですか。仮想化の中で、PlateSpinがそこまで評価された理由はどこにあるのでしょう?

ポラックCEO
 まず、仮想マシンを作るときに、単純にファイルを転送する以上の機能が必要だと思ったことがあるのでしょう。ファイルをセーブするようなことも必要だという認識でした。それから、当社ではP2Vを単なる機能の1つではなく、もっと大きなソリューションとしてとらえていますから、お客様にとって、より使いやすいという点もいえるでしょう。スケーラビリティもありますし、多くのことを効率よくできますし、またエンドユーザーとか、システムインテグレータとか、おのおののユーザーの立場に合わせて選べる機能、ライセンス体系があることも、成功した理由ではないでしょうか。


―利用されるユーザーの規模は、やはり大規模な企業が中心なのでしょうか?

ポラックCEO
 規模が大きくなればなるほど仮想化の価値は大きかったですから、仮想化をまずアーリーアダプタとして実行し始めたのが大企業でした。当社設立直後からのお客様は、仮想化を速く進めなくてはいけないということで、数千サーバーのレベルで製品を採用していただき、その結果大きなコスト削減を可能にしています。

 しかし、当社製品のメリットはサイズにかかわらず提供できるのです。データセンターやIT部門を少ない人数で運用していて、大きな更新をするには人手が足りないと思っている場合でも、当社の知識や技術をお使いいただければ、限界は補えます。中小規模であっても利用できるいろいろな能力を提供してますから、有効にお使いいただけますよ。


移行ツール製品である「PowerConvert」の画面イメージ
―多くの移行ツールの中で、PlateSpin製品が注目を集めるようになってきた要因というのは何でしょうか?

ポラックCEO
 IT組織では世界的に、ここ4~5年投資を抑えられてきました。そのために持っている設備が古くなって、能力的にいっぱいになってきていますので、移行を検討し始めました。また、その間もいろいろな技術が台頭してきており、そうした中で仮想化とブレードコンピューティングの2つの技術が、データセンターへ特に大きな影響を与えましたが、一方で、現在のデータセンターは5つの大きな課題を抱えています。

 まず、一度モデリングして構築してしまうと、融通が利かないこと。何かしようと思ったら再構築するしかなく、非効率的です。それから、これは当社を含めたベンダー側の責任ですが、新たな技術やシステムはそれぞれユニークであるので、管理がとても大変です。各社の製品は皆異なっていますから。またIT部門では、業務部門のニーズを吸い上げて実現するには、2~4週間、あるいはそれ以上かかっていますが、これは今の時代においては遅すぎるでしょう。このほか、不具合に対してリカバリが不完全であるとか、リソース配分に関する柔軟性がないことも問題といえます。

 当社では、これらの問題をよく理解し、おのおのが関連しているかどうかを考えました。もし関連しているのであれば、別々のソリューションではなく、統合した形でソリューションを提供し、すべての問題を一気に解決できるからです。お客様の投資も一回で済みますしね。


―その結果、データセンターの最適化ソリューションを提供されたわけですね。

ポラックCEO
 そうです。問題というのは1つ1つ対応して解決してはいけない、まとめてグループとして解決しなくてはいけないと考えたときには、データセンターの現状を理解できる能力と、変更できる能力を組み合わせることが必要になります。当社では、プロファイリングの「PowerRecon」と移行の「PowerConvert」、両方の製品を持っていますから、それぞれを有効活用することで、新しい環境へのスムーズな移行を可能にします。

 PlateSpinが提供できる価値は、データセンターをお客様が理解した上で変更を加えやすくすることです。その理解するということも、6カ月に一度ということでなく、毎日行えるようになる点で、大きな価値を提供できる。その上で、得られた情報を利用して自動的にデータセンターへ変更を加えられる、それを関連づけられるということが、ほかのベンダーとの差別化ポイントになっています。他社の製品では、プロファイリングと移行の両方を提供しているところはありません。

 例えば当社製品ではプロファイリングの時に、システムへ何をしたらいいか、ということを伝えられます。季節的にアプリケーションの使用率が非常に下がるときに、自動でそのアプリケーションをオフにできる。ほかの製品では、行動を自動化することはできても、プログラミングが必要ですが、当社では、将来を予測して自動で変更を加えるところまでできます。


プロファイリングを行うための「PowerRecon」を用いれば、収集結果をグラフィカルに表示することが可能。収集したデータは、サーバー移行を行う際に効果的に活用できる
―こうしたメリットを活用した事例というものは、どういったものがありますか?

ポラックCEO
 ある化学メーカーで、データセンターのフェイルオーバーをしたいという要望があったのですが、2社のハードウェアベンダーの製品を使っていたために、なかなか難しかった。しかし、当社製品でこれを実現することができました。

 まず、フェイルオーバーをするにはどのくらいのキャパシティが必要かを理解する必要があったので、プロファイリングを行い、その後、取得したイメージをもう一方のデータセンターへ展開しました。

 PowerConvertでは、1つのサーバーから取ってきたイメージを、もう1つのサーバーへ展開できますが、各ハードウェアベンダー、仮想化ベンダーの製品をサポートしており、差違をソフト側で吸収できますから、互換性がなくても移行を行えます。

 また移行についてであれば、欧州のヘルスケア企業の事例があります。この企業は、各地に店舗があり、非常に古いサーバーを用いたPOSシステムを利用していたので、移行の必要に迫られ、新しいアプリケーションに作り替えるか、店舗ごとに新しい装置に移行するか、という両面を検討していたようですが、どちらも手間がかかって現実的ではありませんでした。

 しかし当社では、訪問したエンジニアがその場で新しい装置に移し替えることができました。この事例では、多くの店舗がありますので移行には多くの人が必要ですが、そこそこのスキルを持った技術者を店舗に派遣して移行を行えたのです。インフラが古くなる前に作業を行わなければならなかったので、迅速さも重要な要素でしたが、こうした場合に、ある程度のスキルを持っていれば移行ができる、という点が非常に重要な意味を持ちました。単純な問題ですが、当社以外に解決できるベンダーはいなかったのです。


―日本市場についてはどう見ておられますか?北米や欧州とは市場の価値観や状況が違うことも多い市場なのですが。

ポラックCEO
 私どもとしても、この地域を非常に重要視しています。ビジネス展開にあたっては日本企業との強い関係が重要になると考え、ネットワールドなどと非常によいお付き合いをしています。彼らは、市場のプレゼンスを構築してくれました。今後もこういう関係を強化していきたいですね。

 日本と北米では事情が違うというのは確かにそうでしょう。北米の企業は大企業が多く、仮想化したいという理由も地域によって違う。しかし、仮想化がいかにメリットをもたらすかを理解していただき、製品を展開したいと考えています。仮想化を押しつけるのではなく、データセンターという場所でどう必要とされるかを理解して、どう解決できるかを説明して、提案していくことになると思います。企業規模にかかわらず、持っている能力を最大限に使っていただける企業が、日本にもいると考えています。


―最後に、日本市場に対して、これだけは伝えておきたいというメッセージはありますか?

ポラックCEO
 現在、IT部門がようやくIT機能をコントロールできる時代がやってきたと思います。これを理解していただけたら、ITの持つ機能は頭痛の種ではなく、楽しい仕事になるかもしれません。データセンターで何がおきているかをプロファイリングによってしっかりと確認できるということは、毎日データセンターを改善できるということです。日常的な、継続的な変更というものはとても有意義なこと。ITによってコストを削減するなど、組織の中で活躍できるようになるのではないでしょうか。

 企業規模にかかわらず、ほとんどのお客様の抱える問題について、当社のソリューションは問題解決能力を持っています。1つの製品を買うだけで、幅広い問題を解決できるというベンダーだと思っています。



URL
  PlateSpin(英語)
  http://www.platespin.com/
  株式会社ネットワールド
  http://www.networld.co.jp/
  製品ページ
  http://www.networld.co.jp/platespin/main.htm

関連記事
  ・ 仮想・物理サーバーへの環境集約を支援するシステム移行ソフト(2005/07/27)
  ・ ネットワールド、仮想サーバーへの移行に対応したサーバー測定ツール(2006/02/21)


( 石井 一志 )
2007/08/10 10:46

Enterprise Watch ホームページ
Copyright (c) 2007 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.