2014年の国内ITインフラサービス市場規模は2兆4035億円、IDC Japan調査

　IDC Japan株式会社は25日、国内ITインフラストラクチャーサービスの市場予測を発表した。2014年の市場規模は2兆4035億円、2014年～2019年の年間平均成長率は2.1％と予測している。

　分野別では、ITインフラストラクチャーのコンサルティング＆インテグレーション市場については、景気回復に伴う企業や政府／自治体のシステム構築需要を背景に、前年比成長率が6.9％に達したと推計。しかし、2015年以降はその反動に加え、クラウド移行に関する需要の一巡、非クラウドのインフラ構築案件の減少などにより成長率は低下し、2014年～2019年の年間平均成長率は1.9％に落ち着くと予測している。

　一方、ITインフラストラクチャーのアウトソーシング市場においては、データセンターを利用したプライベートクラウドやハイブリッドクラウドなどの需要拡大により、成長率は徐々に下降しつつも堅調な成長を続けると分析。2014年～2019年の年間平均成長率は4.0％で推移すると予測している。

　ITインフラストラクチャーのサポートサービス市場については、最大のセグメントであるソフトウェアサポート＆保守が安定した成長を続けると分析。一方で、ハードウェアサポート＆保守の長期的な縮小の影響で、市場全体では2014年～2019年の年間平均成長率はマイナス1.2％になると予測している。

　ITインフラストラクチャーのセキュリティサービス市場については、市場規模は他の市場と比べると現時点では大きくないものの、2015年以降の成長率は国内ITインフラストラクチャーサービス市場の中で唯一上昇すると予測。2014年～2019年の年間平均成長率は5.9％に達するとしている。

　IDC Japan ITサービス シニアマーケットアナリストの吉井誠一郎氏は、「ITサービスベンダーは、まずは情報セキュリティ対策向けサービスとその体制を最優先で充実させる必要がある。そして、高い技術力で第3のプラットフォームおよびセキュリティを支える海外のテクノロジーベンチャー企業にも積極的にアプローチすべきである」とコメントしている。