米FTC、「競合相手を違法な手法で排除」として米Intelを提訴
米連邦取引委員会(FTC)は12月16日(米国時間)、市場における独占的地位を強めるために、競合相手を排除する違法な手法を利用したとして、米Intelを提訴したと発表した。
FTCによると、IntelはDellやHewlett-Packard、IBMなどに対し、ライバル社製のCPUチップを購入しないよう、独占契約または契約に制限を付けることにより、非Intel製CPUを市場から追い出したとしている。
さらに、コンパイラを秘密裏に設計し直し、ライバルCPUよりもIntel CPU上のソフトウェアのパフォーマンスが上であるかのように装ったと説明。これらの手法により、AMDのような競合相手の採用数を、過去10年にわたって減らすことに成功してきたとしている。
また、最近になってGPUやその他の関連市場の重要性が増し、相対的にCPUの重要性が減り、Intelの独占的地位が脅かされ始めてきたことから、 NVIDIAのような競合相手を打ち負かすために同様の非競争的戦略を採用し始めており、GPUチップにおいても独占的地位を確立する可能性が出てきたと指摘している。
FTCのこれらの論拠は、米国トラスト法よりも適用範囲の広い、FTC法第5節によるもので、不公正な競争手法、欺瞞(ぎまん)的な行動および商習慣を禁じている。また、FTC法では、違法な独占、独占未遂、独占維持も禁じている。
FTCはIntelに対し、脅迫、バンドル価格の設定、独占契約など、CPUやGPUの価格を不公正に操作する手法の禁止を求めている。また、ライバル社製のCPUやGPUの販売を、理由なく除外または阻むことを禁止するとともに、Intel以外のCPU/GPUのパフォーマンスを減じる製品の開発・配布の禁止を求める可能性もあるとしている。
このFTCの提訴に対して、Intelは16日、FTCの主張と真っ向から対立する声明を発表した。声明では、「Intelは、公正にまた法にのっとって競争してきた。わが社の行動は消費者を利してきた。Intelが重要な部分を占めている競争の激しいマイクロプロセッサー業界は、強固な革新と、価格の減少において、他のどの業界よりも速い速度を保ち続けている。FTCの主張は間違った方向に導こうとしている」とコメントしている。
また、IntelのシニアバイスプレジデントでゼネラルカウンシルのDoug Melamed氏は、「この訴訟は、和解ができたはずで、またすべきだった。和解のための話し合いはかなりの程度進んでいたが、FTCが前例のない賠償に固執したことによって急に失速した。この賠償には、合法的な価格競争についての規制と、今後の知的財産権に関する強制事項が含まれており、これらは Intelがビジネスを行うことを不可能にするものだった」とコメントしている。
2009/12/17 13:29