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社長に就任する予定の長崎忠雄氏
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同社の主力製品の1つである「BIG-IP」アプライアンス
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F5ネットワークスジャパン株式会社(以下、F5ジャパン)は3月22日、4月の新社長就任が予定されている長崎忠雄氏の“お披露目”記者会見を行った。長崎氏は2000年のF5ジャパン入社後、セールスマネージャー、セールスディベロップメント シニアディレクターなどを歴任した営業畑出身の人物。事業方針の説明に立った同氏はこの中で、「日本向け投資の拡大などで、2008年度に売り上げを2.5倍にする」との目標を示した。
3年で売り上げを2.5倍にするには年率40%の成長が必要というが、そのためにF5ジャパンでは、1)日本市場向け投資の拡大、2)新しい市場への展開、3)パートナーとの協業強化、の3つを施策の柱としてビジネスに臨む。
具体的な施策としては、これまで実施してきた機能面、製品面の訴求だけでなく、同社が推進するアプリケーションデリバリネットワーキング(ADN)のコアメッセージを積極的に配信する。ADNとは、アプリケーション配信を的確に、安全に、高速に行うための手段を提供するというメッセージだ。
F5ジャパンとその米本社である米F5は、もともとロードバランサー「BIG-IP」をビジネスの中核として成長してきた企業だが、今後はADNを実現するための基盤提供が必要になるという考え方から、F5はuRoam、MagniFire、Swan Labsといった企業を買収して、その製品をポートフォリオに加えてきている。
F5ジャパンでは今後、そのポートフォリオの強みを最大限に生かすため、ソリューションという形での展開を進める意向で、「顧客にとって、F5ジャパンが与える価値が何か」を理解してもらえるようにし、エンタープライズ市場でのシェアをさらに拡大していきたい意向という。
一方、パートナー向けのサポート体制の強化、大手ユーザー向けのサポート提供などにより、「当社、パートナー、ユーザーが三位一体となって信頼関係を築いていく」(長崎氏)ほか、大阪オフィスを開設し、西日本の営業を強化する。またキャリア向けの市場にも積極的に参入し、サービスとして採用してもらえるよう働きかけに力を入れるだけでなく、受け皿としてのキャリアグレードサポートも強化するという。
加えてパートナー向けには、手薄だった二次代理店向けの専用営業の配置、パートナープログラム改定による支援を行うこととあわせ、WAN最適化製品「WANJet」の代理店拡充など、手薄な部分のパートナー強化も随時実施していくとのこと。長崎氏は、100%間接販売の同社ビジネスモデルを継続していく上では、パートナーとのWin-Win関係を維持することが必要だとして、パートナー支援の重要性を説明した。
なおF5ジャパンでは、これらを行っていくにあたり人員の増強が必要なことから、現在37名の社員を75名体制へ増強していく考え。長崎氏は、「地道にきっちりやれば3年後の2.5倍は可能な数字。(ワールドワイドと同様に)国内でもADN分野でのナンバーワンシェアをとりたい」と力強く述べていた。
■ URL
F5ネットワークスジャパン株式会社
http://www.f5networks.co.jp/
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( 石井 一志 )
2006/03/22 17:52
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