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3PAR、シン・プロビジョニング機能を搭載したミッドレンジ向けディスクアレイ


InServ E200ストレージ・サーバー

米3PARdataのマーケティング担当副社長、グレイグ・ヌネス氏
 3PARdata株式会社(以下、3PAR)は8月29日、ミッドレンジ向けのディスクアレイ製品「InServ E200ストレージ・サーバー」を発表した。同社のハイエンドストレージである「同 S400/S800ストレージサーバー」を中規模向けにした製品で、インターフェイス数や最大容量などのスケーラビリティ面以外は、同等の機能を備える。価格は保守を含めた最小構成で1000万円弱からになる見込み。

 3PARの主力製品であるInServストレージ・サーバーは、エンタープライズ向けのディスクアレイである。特徴は、動的なボリュームの拡張を実現する「シン・プロビジョニング(Thin Provisioning)」機能を搭載すること。通常のストレージ運用では、アプリケーションごとに多めのHDD容量を割り振ってボリュームを構成するため、実際には利用しない分のHDD容量がコスト的な負担になることが多いという。さらに事前のストレージ設計に手間がかかることに加え、容量の追加を無停止で行えない製品も多々存在する。

 しかしシン・プロビジョニングでは、各ボリュームに対して共用のストレージエリアから必要な分を動的に割り当てるので、ストレージの利用効率を上げられるし、本当に必要な分のHDDしか割り当てないため、不要なコストを多大に負担する必要もない。さらにHDDの追加、ボリュームの容量拡張とも無停止で行えるのである。またデータボリュームにおけるRAIDの構成やリソース割り当て、HDD種別などのサービスレベルを無停止で簡単に変更する「Dynamic Optimization」機能も特徴の1つだ。

 3PARでは、これまで大規模向け製品に限られていたこれらのメリットを、中規模環境にも提供するため、今回InServ E200を発売することにしたという。同製品では、上位製品と同等のソフトウェア機能を備えていることから、そのメリットを継承しながらもより安価に利用できる。「Sクラスのスケールダウンモデルとして、支店・支社や地域データセンターの統合用途、テスト・開発環境での利用などが可能だ」(米3PARdataのマーケティング担当副社長、グレイグ・ヌネス氏)。

 インターフェイスはFCポート×8を標準で備えるほか、オプションでFCを4基まで、iSCSIも4基まで追加することができる。HDDは147/300GB FCと500GB FATAが利用可能で、最大容量は63TB。

 競合する製品としては、EMCのミッドレンジストレージであるCLARiXシリーズなどを想定。「EMCの場合は上位製品のSymmetrix DMXシリーズと異なるソフトを利用しているが、当社ではリモートコピー(ディザスタリカバリ)機能も含めて上位製品と100%同じソフトを利用するので、(エンジニアの)再トレーニングの必要はない。またiSCSIとFCが同じ筐体で利用できるし、何よりもシン・プロビジョニング機能が利用できる」(ヌネス氏)とアピールした。



URL
  3PARdata株式会社
  http://www.3par.jp/

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( 石井 一志 )
2006/08/29 09:53

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