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AIとハイパースケーラーの需要増に対応するColtのネットワーク戦略、東阪間の超低遅延ルート「東阪プラチナコネクト」新設と西日本延伸の狙い
- 提供:
- Coltテクノロジーサービス合同会社
2026年10月19日 09:00
企業のクラウド利用やAI活用が爆発的に進展する中、通信インフラの重要性がこれまで以上に高まっている。グローバルで高品質なネットワークインフラを提供するColtテクノロジーサービス(以下、Colt)は、日本国内において東京から九州を結ぶネットワークバックボーンの構築を完了させるとともに、主要幹線の東名阪における大幅な容量増強と、超低遅延を実現する新ルート「東阪プラチナコネクト」の開設を発表した。
東阪プラチナコネクトは、東京-大阪間を低遅延ルートに沿って接続する新たなルートで、サービス提供は2027年春を予定している。具体的なサービスとしては、Colt Wave(専用線サービス)の1G、10G、100G、400Gの4種類を提供する。
Coltは東京-大阪間には既に、海側ルートと山側ルートの2系統を提供しているが、東阪プラチナコネクトは既存ルートよりも短距離であることから、約30%の遅延値削減が可能となるほか、可用性と信頼できるインフラによる高い回線の安定性を提供する。
東阪プラチナコネクトは当初約25Tbpsのデータ転送容量を実現し、顧客のニーズなどに合わせて順次拡大していく予定。さらには、山側ルートにおいても、冗長性を重んじる顧客企業、またハイパースケーラー向けに、帯域幅の増強を2027年1月に予定している。
このネットワーク拡張の背景には、「AI時代のネットワーク需要」や、ハイパースケーラーおよびエンタープライズの動向がある。また、今後のインフラ投資の狙いについて、Coltテクノロジーサービス プロダクトマネージャー アジアプロダクトマネージメントの安藤衛氏に話を伺った。
顧客ニーズの「二極化」とAI時代の到来
――まずは今回の発表に至った背景や、グローバルでの戦略のアップデートについて教えていただけますか。
安藤氏:Coltは創業以来、ヨーロッパやアジアを中心とした主要都市のオフィスビルやキーデータセンターを網羅する「メトロエリアネットワーク(MAN)」に大きな強みを持ってきました。現在、グローバルで1000以上のデータセンター、3万2000以上の商用ビルをカバーしています。
しかしここ数年で、お客様の需要構造に大きな変化が起きています。端的に言えば、顧客ニーズが「二極化」しているのです。
一方には、ハイパースケーラーに代表される「大陸横断・都市間を結ぶ超高速なダークファイバーなどの太いネットワークを大量に調達したい」という需要があります。もう一方のエンタープライズ企業では、個別の回線選定よりも、クラウド化の進展やゼロトラストセキュリティ、SD-WANなどを統合したワンストップなパッケージソリューションが強く求められています。
これに対応するため、グローバル全体で組織とソリューションを「インフラ」と「エンタープライズ」の軸に再定義しました。
さらにこの3〜5年で、閉域網からインターネット/クラウドへの移行、SaaSなどのクラウドサービスの利用増に伴うトラフィック急増が進んでいましたが、現在はそこに「AI」という巨大な波が加わっています。AIデータセンター間の連携トラフィックや推論処理による大容量データ通信に耐えうる「AI READY」なネットワーク基盤が不可欠になっており、柔軟に帯域をスケールできる「NaaS(Network as a Service)」を中核に据えた「AI WAN」の展開を進めています。
東京〜九州をつなぐ背骨の完成と、東名阪の「容量倍増+超低遅延」
――そうした世界的な戦略の流れの中で、今回の日本国内での増強はどのような位置付けになるのでしょうか。
安藤氏:今回の国内アップデートの柱は大きく2つあります。「西日本バックボーンの全面開通」と、「東名阪幹線のさらなる強化」です。
これまで東名阪中心だったネットワークを西日本へ延伸し、岡山・広島への延伸を経て、年明けには福岡まで接続を完了させます。これにより、東京から九州まで一本の強固な「背骨(バックボーン)」が貫通し、沿線の主要データセンターやオフィスビルへシームレスにアクセスできるようになります。
そしてもう1つが、最重要区間である東名阪の強化です。AIやハイパースケーラーの急激な需要増に伴い、既存の山側ルートの容量を完全に2倍へと拡張(二重化)します。これに加え、ハイパースケーラーや金融機関などから寄せられる「さらなる低遅延」へのシビアな要求に応えるため、最短距離を結ぶ新ルート「東阪プラチナコネクト」を新設します。
つまり、東名阪の容量を倍増させつつ、ウルトラローレイテンシー(超低遅延)の選択肢も同時に提供する体制を整えます。
――東京・大阪間のトラフィックは、単なるバックアップ用途だけでなく、AIなどの利用によって実際に増えているのでしょうか?
安藤氏:非常に増えています。これまでは「東京と大阪でデータセンターを二重化し、災害対策としてバックアップを取り合う」という使い方が主でした。しかし現在は、AIモデルの学習や推論処理において、各拠点のデータセンター同士が自律的かつリアルタイムに大容量のデータ連携を行うケースが激増しています。
ユーザーが東京のデータセンターにアクセスしているつもりでも、背後では大阪やグローバルのデータセンターと分散処理を行ってレスポンスを返すような設計が当たり前になっています。AIエージェント間の通信など、人間が意識しないところでデータセンター間のトラフィックが爆発的に発生しているのが実情です。
ミリ秒単位の遅延を削る「東阪プラチナコネクト」
――新ルート「東阪プラチナコネクト」について、顧客からはどのような要求があったのでしょうか。
安藤氏:ネットワークの遅延時間は、最終的には光が通る「物理的な距離」に依存します。金融系の取引システムなどを運用されるお客様からは、「コンマ何ミリ秒でも短縮したい」という非常に強いご要望を継続していただいていました。
今回の増強により、一般的なトラフィックや堅牢な冗長性を求めるお客様には従来の海側・山側の二重化ルートを、そして極限までのレスポンス性能を求めるお客様には「東阪プラチナコネクト」を、という形で用途やコストに応じた最適なルートを選択していただけるようになります。
陸路で最短を狙い、災害リスクへの耐性とスピードを両立させています。
――西日本への延伸(岡山・広島・福岡)によって、地方拠点のユーザーにはどのようなメリットが生まれますか。
安藤氏:実は、地方の公共団体やエンタープライズ企業にとって非常に大きな価値があります。
政府や自治体で「ガバメントクラウドをはじめとするクラウド移行」が推進されていますが、主要なメガクラウド(AWSやMicrosoft Azureなど)の大規模データセンターは東京圏や大阪圏に集中しています。地方から一般のインターネット回線経由でSaaSやクラウド基盤にアクセスすると、「以前のオンプレミス環境よりレスポンスが遅い」という課題に直面しがちでした。
今回、Coltの高速バックボーンが九州まで通ったことで、地方からでも東京・大阪のハイパースケーラーのデータセンターへダイレクト、かつ低遅延・広帯域で接続できるようになります。九州や山陽エリアにいながら、まるでローカルにデータセンターがあるかのような快適な環境で業務システムやAIサービスを活用していただけます。
日本への投資集中と、今後の展望
――海底ケーブルの拡充も含め、アジア地域における日本拠点の重要性が増しているように見えます。
安藤氏:その通りです。東南アジア諸国では電力供給や地政学的な制約からデータセンターの新設が難しい地域も多く、ハイパースケーラーは日本をアジア全体のハブ(基地)として位置づけています。シンガポールなど東南アジアから米国西海岸へ向かう最短ルート上にも日本が位置しており、アジアからのトラフィックが日本を経由して抜けていく構造になっています。
そうした背景もあり、米国以外のグローバル市場において、日本へのインフラ投資のモメンタムは群を抜いて活発です。
――今後のインフラ拡張のロードマップについてお聞かせください。
安藤氏:まずは直近で、西日本(岡山・広島・福岡)の完全開通と、東名阪の山側増強および東阪プラチナコネクトのローンチを着実に完了させます。
その次のフェーズとしては、今回一本通した九州・広島ルートのさらなる複線化・冗長化の拡充、そして太平洋やアジア向け海底ケーブルとの接続性強化を進めていきます。電力や用地の都合でデータセンターの立地が多様化していくトレンドも注視しつつ、確実にお客様のビジネス需要が存在する重要拠点へ向けて、機動的かつ最適なネットワーク投資を続けていきます。




