米NIKSUN、Gigabit対応のネットワーク性能監視・フォレンジック新製品

日本法人も設立、総売上高の10%を目指す

SeciorVice President and President of Worldwide Salesのラングー・サルガメ氏

 ネットワーク性能監視・フォレンジック製品を提供する米NIKSUNは5月13日、日本法人のニクサン株式会社を設立し、ネットワーク性能監視・フォレンジック製品の最新版を、6月30日より提供すると発表した。

 NIKSUNは、1997年創業のネットワーク性能監視・フォレンジック製品を提供する企業。主な製品は、ネットワーク性能監視・管理用アプライアンス「NetVCR」と、ネットワークセキュリティ・フォレンジック用アプライアンス「NetDetector」など。

 DWH(Data Warehouse)を中核技術に、IDSやフォレンジック、レポーティング、トランザクション分析、トレンド予測、VoIP分析、トラブルシューティングなどのソフトウェアモジュールをのせて稼動。取得したデータは自動でインデックス化され、容易に検索できる。それらをワンストップのアプライアンスで提供するのが製品形態だ。

 最新版となる「NetVCR v.4.0」(ネットワーク性能管理/通信パケット分析/トラブルシューティングに対応)と「NetDetector v.4.0」(フォレンジック/IDS/内部統制に対応)では、Gigabit級の高速ネットワークでも取りこぼすことなく、全パケットをリアルタイムに記録できるのが特徴。操作・管理GUIにFlash技術を採用して操作性を高め、各ユーザーごとの見栄えのカスタマイズも可能にした。

主力2製品の概要製品形態はアプライアンス。DWHプラットフォームの上に、さまざまな機能ソフトモジュールを搭載できるGUIイメージ

 また、ソフトウェアモジュールとして、新たに金融業界向けモジュール「NetTradeWatch」を追加。

 この背景として「金融取引のスピードは非常に重要で、マイクロ秒の差が何百万ドルを左右する。取引システム基盤のEnd to Endの監視においては、トランザクションのパフォーマンス情報をリアルタイムに分析するため、マーケットのデータ・フィード送信と、取引所への受信を監視し、相互に関連付けるソリューションが必要とされる」(同社)と説明。

 「NetTradeWatcfhは、マルチキャスト・データ・フィードの監視と遅延測定、トランザクション分析を組み合わせ、取引用ネットワークを100%可視化し、約定の瞬間をレポートできるほか、ギャップや異常なパケットについてアラートを送信できる」(同社)とした。

 さらにワイヤレスプロトコルに対応した「Mobile通信分析モジュール」も新たに追加。

 「スマートフォンの増加、ストリーミングやインターネットラジオ、IMなどにより、ワイヤレスネットワークではデータ量の飽和が起きている。サービスプロバイダは、限られたネットワーク帯域幅の中で高品質のサービスを提供するため、ネットワーク帯域使用率の管理を維持改善しなければならない」とし、同モジュールでは、「ネットワーク全体の状態とパフォーマンスを監視するだけでなく、パケットデータを詳細にキャプチャして調査できる」とした。

 複雑なネットワーク構成における多数のワイヤレスプロトコルを効率的にドリルダウンする機能も搭載。アプリケーション障害やサービス停止・遅延、ネットワークの混雑の原因を正確に特定できるという。

カントリーマネージャに就任する伊藤一彦氏

 日本においては、2002年からSCSを通じて金融・通信・製造業の約300社に導入実績がある。「日本は特に重要な市場」との考えから、「日本法人を設立することで体制を強化し、ユーザーへの継続的なサポートをコミットする」と、SeciorVice President and President of Worldwide Salesのラングー・サルガメ氏が説明した。

 日本法人のオペレーションを統括するカントリーマネージャに、シマンテックなどにおいて情報セキュリティに携わってきた伊藤一彦氏が就任。

 「今後も引き続き、SCSと密接に販路を拡大。ニクサンは市場の立ち上がりが遅れている官公庁を中心に、ハイタッチ営業によるエンドユーザー開拓に注力し、米国事例を基に需要を喚起していく。ターゲット顧客層は、金融業界、通信業界、官公庁を想定。現人員4名を順次拡大して体制を強化するとともに、各業界別のセミナーを実施してマーケティング活動を活発化していく」(伊藤氏)とした。

 国内では当面、全世界の10%の売り上げを目指す。


(川島 弘之)

2010/5/13 13:55