ウイングアーク、データ活用ツール「Dr.Sum EA」の新インターフェイス製品

企業内のさまざまな情報を1つの画面上に集約

Dr.Sum EA MotionBoardの画面イメージ。さまざまな機能をな機能を画面上に集約している
ウイングアーク 代表取締役社長の内野弘幸氏

 ウイングアーク テクノロジーズ株式会社(以下、ウイングアーク)は3月24日、データ活用ソリューション「Dr.Sum EA」の新しいインターフェイス製品として、情報活用ツール「Dr.Sum EA MotionBoard」を3月31日より出荷開始すると発表した。あわせて、Dr.Sum EAエンジンのラインアップを拡充し、小規模向けの「Dr.Sum EA One」と、中・大規模向けの「Dr.Sum EA Premium Plus」を同日より出荷開始した。

 Dr.Sum EA MotionBoardは、データ集計・分析やデータ共有といったさまざまな機能を1つの画面に集約し、グラフや画像などの情報をダッシュボード上で直感的に扱うことができる、新たなインターフェイス製品。ウイングアーク 代表取締役社長の内野弘幸氏は、新製品の発表にあたり、「企業内には多種多様の情報が蓄積されているが、それを活用しきれていないのが実情。例えば、ERPを導入したり、ECサイトを開いたりすると、膨大なデータが日々たまってくる。こうした企業内の情報を、より活用しやすくするためのツールが今回のDr.Sum EA MotionBoardだ。まずは、Dr.Sum EAのインターフェイス製品として提供するが、それだけにとどまらず、将来的には海外展開も視野にクラウド時代のデファクトインターフェイスを目指していく」との考えを述べた。

 Dr.Sum EA MotionBoardの大きな特徴は、自分の思考に合わせた専用のダッシュボードを作成し、Dr.Sum EAのデータを、用途に応じたチャートや明細データを使って集計・分析できる点。営業統括本部マーケティング部 部長兼Dr.Sum戦略グループマネージャーの小島薫氏は、「より自由なデータ活用を支援するため、ホワイトボードのような大きな仮想ボードを用意し、自分の必要な情報を、自分の好きな場所にポジショニングできるようにした。これによって、企業内のさまざまな情報をもとに企画を考えたり、レポートを作成する際に、1つの画面からすぐに思考に入ったりすることが可能で、知的作業の生産性を大幅に向上できる。当初は、パワーユーザーやマネジメント層がメインターゲットとなるが、現場担当者も含めた幅広い層に活用を広げていきたい」としている。

UI製品の想定利用範囲思考パターンごとのダッシュボードDr.Sum EA MotionBoardのポジショニング
Dr.Sum EA MotionBoardのコンセプト

 また、Dr.Sum EA MotionBoardの開発を手掛けたフォー・クルー 代表取締役社長兼CTOの田中潤氏は、「『自由分析』『情報可視化』『プッシュ機能』『データ共有』という4つの機能をすべて実現することをコンセプトに開発を行った。そして、多機能でありながら、ユーザーの用途に応じて、柔軟に機能を活用できるようにした。単なるインターフェイス製品というだけでなく、企業競争力を高めることにもつながるツールになっている」と、製品開発の狙いを説明した。

 各機能のうち「自由分析」では、Dr.Sum EAのデータを自由集計、データ予測、傾向分析、差分分析し、簡単な操作でグラフィカルなチャートにしたり、明細データにしたりするなど、利用シーンに合わせて活用できる。また、これらの情報は、ボード上の自由な位置に配置することが可能となっている。

 「情報可視化」では、1つのボード上で、すべてのデータを管理することができる。膨大な情報をボード上に表示した場合も、画面上のナビゲーションウインドウによって全体のデータ配置イメージを把握可能。さらに、画面を拡大・縮小・移動することで、簡単に見たい情報にたどりつける。

 「プッシュ機能」では、データの異常値を見つけ出し、問題のある集計結果についてはアラートを送信する。また、定期的にレポート情報をPDFで配信することも可能。見逃すことのできないデータの変化を自動で通知することで、問題が発生した場合でも、素早い対処がとれるようになる。

 「データ共有」としては、アクセス権限や公開範囲の設定によって、部署ごとやチームごとといったパブリックな環境でのデータ共有が行えるほか、自分専用のプライベートな環境でのデータ活用にも対応。また、Dr.Sum EAの集計結果だけでなく、さまざまな形式のファイルやコメント情報、リンク、画像データなどの情報を1つのボード上で扱うことができる。

 Dr.Sum EA MotionBoardの価格は、1サーバーライセンスが420万円。初年度で30ユーザーの販売を目標にしている。

 なお今回は同時に、Dr.Sum EAエンジンの新ラインアップとして、小規模向けの「Dr.Sum EA One」と中・大規模向けの「Dr.Sum EA Premium Plus」もあわせて発表された。Dr.Sum EAは、2月末時点で導入社数2680社、サーバー数4780本の導入実績があり、2009年度もBIツール市場におけるトップシェアを確保している。ウイングアークでは、「今回のラインアップ拡充によって、小規模から大規模運用まで、最適な集計パフォーマンスを適切な価格で提供することにより、さらなる市場展開と販売機会の拡大を図っていく」(小島氏)考えを示した。

 価格は、Dr.Sum EA Oneが1サーバーライセンス105万円(1000万件/TBL、同時ログイン数3)。SMBをターゲットに、初年度100本の販売を計画している。Dr.Sum EA Premium Plusは、データ件数の増加に応じて1サーバーライセンス630万円から(1~5億件/TBL)。大容量での運用簡易性を求める中・大規模企業に向けて、初年度50本の販売を目指す。


(唐沢 正和)

2010/3/24 16:38