「6200万人と脅威情報を共有」、ブルーコートがクラウド活用のWebセキュリティソリューションを提供

ゲートウェイ、クラウド、クライアントの3階層を連携

ゲートウェイ、クラウド、クライアントの3階層を連携し、包括的なWebセキュリティを提供する
米Blue Coat プロダクトマーケティング担当シニアディレクターのトム・クレア氏
ProxySG 9000

 ブルーコートシステムズ合同会社(以下、ブルーコート)は11月17日、セキュアWebゲートウェイ・ソリューション「Blue Coat Secure Web Gateway」を発表した。プロキシ/Webフィルタ機能を提供する「ProxySG」、マルウェア対策機能を備えた「ProxyAV」の両ゲートウェイアプライアンスや、クライアントソフトウェア「Blue Coat ProxyClient」、クラウドサービス「Blue Coat WebPulse」などから構成され、ユーザー環境の包括的な保護を実現するという。また同時に、ProxySG、ProxyAVのハイエンドハードウェアプラットフォームも新たに提供する。

 ブルーコートではこれまで、Webフィルタ機能を備えたプロキシアプライアンスのProxySGと、同製品との連携によって効率的なマルウェア対策を行えるProxyAVを中心に、インターネット上の脅威からユーザーを守るというメッセージを市場へ伝えてきた。もちろん、ProxySGと他社のマルウェア対策製品の組み合わせでも同様のセキュリティは提供できるが、ProxyAVでは、一度スキャンしたオブジェクトをProxySGにキャッシュできるため、同じオブジェクトに対するスキャンを省略し、スループットを向上させられるメリットがある。また、全世界6200万人のユーザーが参加するクラウドベースの監視網、WebPulseを利用。URLリクエストをリアルタイムに分析し、脅威に関する情報を全世界のユーザーと共有することで、常に変化するWebの脅威への対応力を強化している。

 今回のBlue Coat Secure Web Gatewayソリューションは、これらのメッセージをより進化させたもので、WebPulseやProxyClientといったコンポーネントの機能強化によって実現した。米Blue Coat プロダクトマーケティング担当シニアディレクターのトム・クレア氏は、「WebPulseは、新しい脅威の情報を吸い込む“Webの掃除機”のようなもので、16の脅威検出技術を提供するに至った。北米、中国など地域性を考慮したセキュリティ防御や、複数のWebサイトの相関関係をもとに、人間が危険度を判断してブロックする『Web関連付け』機能などによって、より高い防御を提供可能だ。何よりも素晴らしいのは、クラウドサービスとして提供されているので、これらの機能を利用するための、クライアントやゲートウェイ側でのアップデートは一切必要ないことだ」と説明。ProxyClientのポリシー機能については、グループないしは1台へのポリシー適用が可能になったため、「より粒度の高いセキュリティを提供できる」とした。

 これらの機能は、既存ユーザーでも利用可能だが、さらに大規模環境への対応を強化する目的で、ハイエンドのハードウェアプラットフォーム「ProxySG 9000」と、「ProxyAV 1400/2400」が発表された。ProxySG 9000では、既存製品と比べて最大5倍のパフォーマンスを持ちながら、ラックスペースと消費電力を30~40%削減可能。ProxyAV 1400/2400とともに、最大6万人のユーザーに対応可能なスケーラビリティを備えている。価格はいずれもオープン。




(石井 一志)

2009/11/17 17:12