SCS、仮想サーバーのI/O帯域制御に配慮したPaaSサービス


 住商情報システム株式会社(以下、SCS)は6月16日、エンタープライズ向けクラウド基盤サービスを提供すると発表した。同日より提供開始する。

 同サービスは、コンピューティングリソース(CPU、メモリ、ストレージ)を必要な時に必要なだけ提供するPaaS(Platform as a Service)サービス。同社データセンター「netXDC」にて提供する。リソースのほか、OS・ミドルウェア・アプリケーション監視運用・業務プロセス運用などのアウトソーシングもワンストップで提供し、仮想サーバーI/Oの帯域制御を実現したのが特長。

 サーバー仮想化技術を主とするクラウドコンピューティング基盤では、複数の仮想サーバーでインターフェイスやストレージへの接続を共有するため、I/O競合によるシステム処理速度の低下が問題とされてきた。同サービスでは、シーゴシステムズのI/O仮想化製品を利用することでこれを解決。I/OのQoSを実現し、仮想マシンごとのネットワーク帯域制御、ストレージデバイスとの帯域制御による安定したサービス提供を可能にしたという。

 信頼性としては、同サービスを提供する運用組織と、最新技術などの評価・検証を実施する専任組織「IT基盤ラボラトリー」が連携するほか、独自開発の統合監視ツール「FusionCORE」で全国3カ所のデータセンターを管理することで、すべての拠点で高品質な運用に均一化し、万が一の障害にも迅速に対応できるSE体制を整えた。

 サービスメリットは、従量課金によるスモールスタートを実現したことで、機器購入やシステム構築のコストを大幅削減できるほか、ニーズに応じてリソースのプロビジョニングが可能な点で、大幅なキャパシティ増強や遊休リソースの利用停止に関しても柔軟に対応できるとしている。サービス申し込みから最短5営業日で利用開始できる迅速さもメリットとのこと。

 参考価格は、サーバー最小構成(CPU 1GHz、メモリ1GB)を利用する場合で6万5000円/月から。SCSでは、初年度3億円、3年後に20億円の年間売り上げをめざす。


(川島 弘之)

2009/6/16 17:23