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オラクル、Oracle Applicationsの統合基盤「アプリケーション統合アーキテクチャ」


アプリケーション統合アーキテクチャのキーコンポーネント

同社アプリケーションビジネス推進本部アプリケーション統合アーキテクチャ推進部ディレクターの大本修嗣氏
 日本オラクル株式会社は7月20日、異種アプリケーション製品の統合基盤「アプリケーション統合アーキテクチャ(以下、AIA)」、およびAIAの構成要素である「プロセス統合パック」に関する記者説明会を開催した。

 AIAは、Oracle Fusion Middlewareをベースに、Oracle Applicationsの各業務プロセスを統合したプロセス統合パックと、業種別リファレンスによって構成されるSOA基盤。AIAの特長について、同社アプリケーションビジネス推進本部アプリケーション統合アーキテクチャ推進部ディレクターの大本修嗣氏は、「事前に定義されているため、アプリケーションの統合をスムーズに行うことができる。企業にとっては、統合のコスト削減メリットが得られる。また、SIerにとっては、プロジェクトの期間短縮が可能で、長期化リスクの削減につながる。オラクルにとっては、ソフトウェアの利用度向上による売上アップに貢献できる」と、すべてにメリットのあるものと説明する。

 AIAを構成するプロセス統合パックは、BPELを用いて事前に定義・統合された業務プロセスとOracle Applicationsとを連携するための、サービスやオブジェクト、ビジネスコネクタサービスをまとめたもの。案件機会から見積もり作成の業務プロセスの統合が可能な「Oracle E-Business Suite Order Management」と「Siebel CRM On Demand」の統合パックと、受注から入金までの業務プロセスの統合が可能な「Oracle E-Business Suite Order Management」と「Siebel CRM」の統合パックの2つが用意されている。今後、銀行業務での口座開設や、医薬有害情報の報告、販売促進・値引管理などの統合パックが提供される予定。また、通信業界・金融業界・小売業界など業種別のプロセス統合パックの提供も予定されている。


プロセス統合パック 業種別プロセス統合パック

 業種別リファレンスモデルは、企業全体のビジネス・主要な業務・個々の業務といった3階層で文書化された業界別のベストプラクティス。統合プロセスフローを作成するためのツールと、文書化されたビジネスプロセスが提供される。

 プロセス統合パックの価格は、1CPUあたり375万円から。プロセス統合パックには、Fusion Middlewareなども含まれる。なお、業種別リファレンスモデルの提供は年内を予定している。


同社執行役員アプリケーションビジネス推進本部長の藤本寛氏
 同社執行役員アプリケーションビジネス推進本部長の藤本寛氏は、「経済産業省の調査によると、情報サービス業においてインテグレーションの売上高と割合が増加傾向にある。これは、企業内のシステムがつぎはぎ状態になっており、複雑化したためといえる。この部分をいかに下げるかが課題。AIAにより、Oracle Applicationsをバーチャルスイートという形で統合することで、柔軟性・専門性・完全性を高めたものに進化させることができる」と説明。オラクルのM&A戦略により手に入れた専門アプリケーションをAIAで統合することで、売上に貢献させていきたいと述べた。



URL
  日本オラクル株式会社
  http://www.oracle.co.jp/
  ニュースリリース
  http://www.oracle.co.jp/news_owa/NEWS/news.news_detail?p_news_code=1755

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  ・ 日本オラクルのアプリケーション戦略、「2008年の目標はパッケージ市場の創出」(2007/07/10)


( 福浦 一広 )
2007/07/20 16:54

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