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日本オラクルのアプリケーション戦略、「2008年の目標はパッケージ市場の創出」 |
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ウォルベン氏はまず、この5月で終了した2007年度を振り返り、「組織は1年前よりも鋭敏になり、顧客のニーズをより把握できる会社になった」と評する。実績としても、国内でのライセンス売り上げが60％伸び、サプライチェーンの分野でも100％の成長を遂げるなど、着実に成果を上げてきているという。また最大案件の規模が250％伸びるなど商談が大型化。ビジネスの価値を提言できていることから、全体平均の商談規模も2倍になったとした。 その上で2008年度は、「日本におけるパッケージソフトの市場を創出する」ことをアプリケーションビジネスの戦略目標にかかげる。日本におけるIT投資額は14兆5660億円と非常に大きな規模だが、そのうちのパッケージ市場は10％に過ぎない。さらにそれを細かく見ると、ERPパッケージの市場は全体の0.6％と1％にも満たない小ささだ。ウォルベン氏はこうした状況から「日本においてはまだパッケージソフトの市場はない」と断言。国内で市場を作っていくためには、「主要な日本のSIerにとって、カスタムメイドよりもパッケージが収益的に魅力のあるものにしなくてはいけない」と述べ、インテグレータを巻き込んで市場を拡大していく意図を示した。 またビジネスアプリケーションを提供する上では、「“外向き”のソリューション」に注力するという。日本でも過去、ERPがさまざま導入されてきたが、それらは経理部の処理を自動化・効率化する会計システムから始まった。その後、財務、在庫管理、購買などの部門へ広がっていったものの、すべての仕分けを入力し、買い掛け・売り掛けの管理をするといった、経理業務の効率化の範囲から出るものではなかった。 しかしウォルベン氏は、そうした“内向き”の会計自動化システムではなく、CRMやサプライチェーン、運輸、需要計画といった外向きのソリューションこそが必要とされていると主張する。アナリストの予測でも外向型ソリューションの成長率は内向型ソリューションの2倍になるとされているとのことで、そこには「大きな市場が広がっている」とした。 実際にOracleでも、外向型のアプリケーションに対して巨額の投資を行い、多くの企業を買収。それらを基本的なOracleのテクノロジーと組み合わせて、自社のソリューションと統合してきている。顧客に対しても、各種のアプリケーションスタックが持つ優れた機能を結び付けるためのアプリケーション統合アーキテクチャ（AIA）を提供し、その恩恵を容易に受けられるようにしていく。同日には、AIAに基づいた業務プロセス統合のためのソフトウェア「プロセス統合パック」を発表。その第1弾として、Oracle E-Business Suiteの受注管理モジュール「Order Management」とCRMアプリケーションの「Siebel CRM」、もしくはそのSaaS版「Siebel CRM On Demand」との連携製品を提供開始した。 なおこうした新たなバックボーンはあるものの、2008年度の重点戦略は、これまでと変わらず顧客満足度の向上と、買収製品の統合に置かれる。「Japan Upgrade Management Office」の開設によって、海外と比べて低い最新版へのアップグレードに力を入れるほか、「カスタマーケア＆サポート」プログラムを積極的に展開するなど、既存顧客への取り組みを強化する。あわせて、パートナービジネスを支援する体制も拡充するとした。製品の統合では、ステレント、ハイペリオンといった新たにポートフォリオに加わった買収企業とその製品を自社へ取り込み、よりビジネスの強化を図っていく。 ■ ＵＲＬ 日本オラクル株式会社 http://www.oracle.co.jp/ プレスリリース（AIA） http://www.oracle.co.jp/news_owa/NEWS/news.news_detail?p_news_code=1755
（ 石井 一志 ）
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