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富士通、デュアルコアItanium 2を採用した「PRIMEQUEST 500シリーズ」


PRIMEQUEST 580
 富士通株式会社は7月19日、最新のデュアルコアItanium 2 9000番台を搭載した基幹IAサーバー「PRIMEQUEST 500シリーズ」を発表した。最大8CPUを搭載する「PRIMEQUEST 520」、最大16CPUを搭載する「PRIMEQUEST 540」、最大32CPUを搭載する「PRIMEQUEST 580」の3モデルを用意。同日より販売を開始する。

 PRIMEQUESTは、同社独自開発のチップセットおよびItanium 2プロセッサを採用したオープンサーバー。メインフレームの信頼性とオープンサーバーの経済性を両立しているのが特長。

 今回発表されたPRIMEQUEST 500シリーズは、同日発表されたデュアルコアItanium 2 9050/9020を搭載した製品。チップ間伝送帯域を1.066GHzに、CPUとメモリ間バス帯域を533MHzにそれぞれ拡張したことで、デュアルコアItanium 2とあわせ、システム性能を従来比最大2.5倍に、価格性能比を最大3倍に向上している。また、従来より提供していたシステムボード単位で分割を行う「高信頼ハードウェアパーティショニング機能」に加えて、論理分割によりシステムボードを2分割することで、筐体あたり最大16分割を実現する「拡張パーティショニング機能」を新たに用意。これにより、1パーティションあたり2CPUまで細分化が可能となっている。


今回発表されたPRIMEQUEST 500シリーズ3モデル PRIMEQUESTのシステムボード。1枚あたり4つのCPUが搭載されている

 発表会ではPRIMEQUEST以外に、オンライン処理基盤の「IBAS(Interstage Business Application Server)」、バッチ処理基盤の「IJOB(Interstage Job Workload Server)」、SOA対応ミドルウェア、既存アプリケーションの移行工数を30~50%削減するサービス「マイグレーションスイート」、短期間でのシステム導入を支える「システムスタートアップサービス」「カスタムメイドプラス」など、PRIMEQUESTを導入するユーザーを支援する製品・サービスの強化もあわせて発表。メインフレームなど既存システムからPRIMEQUESTへの移行体制を強化している。


ミッションクリティカルミドルウェア SOAP対応ミドルウェア マイグレーションサービス

同社経営執行役サーバシステム事業本部長の山中明氏

発表会には、米Intel副社長兼デジタル・エンタープライズ事業本部長のトーマス・キルロイ氏も出席
 同社経営執行役サーバシステム事業本部長の山中明氏は、「PRIMEQUESTは、2005年4月の発売以来、大規模データベースサーバーやメインフレームからのマイグレーションなどの分野を中心に、世界12カ国、100台以上の導入実績を持っている。オープンシステムの経済性にメインフレームの信頼性という点で評価をいただいている」と、PRIMEQUESTの導入状況を説明。

 そのほか、WindowsをOSとして採用するユーザーが増加傾向にある点に触れ、「基幹システムではメインフレームを使っていても、準基幹系システムでWindowsを利用する事例が多い。ただし、ハードウェアへの信頼性などに不安を持つユーザーも多い。そうした点からPRIMEQUESTを選んでいただいているようだ」(山中氏)と説明。「WindowsでSQL ServerやSAPなどを使っているユーザーにとっては、移行の手間が少ないことも選択する要因となっている」と、高い信頼性がWindows利用者に評価されていると述べた。

 価格は、PRIMEQUEST 520が520万円(税別)、PRIMEQUEST 540が2180万円(税別)、PRIMEQUEST 580が4180万円(税別)。山中氏は、「官公庁などでのオープン化の波に乗って、2007年度末までに2000台の販売を目指す」と意欲を見せた。



URL
  富士通株式会社
  http://jp.fujitsu.com/
  プレスリリース
  http://pr.fujitsu.com/jp/news/2006/07/19-1.html

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( 福浦 一広 )
2006/07/19 19:28

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