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日本オラクル株式会社は4月16日、SaaSプラットフォームの提供に関する、パートナー企業との協業を強化すると発表した。| 
 |  | 常務執行役員 アライアンス統括本部長の鈴木登志夫氏 |  | 
 |  | Oracle SaaS Platformの概要 |  | 
 |  | アライアンス統括本部 パートナービジネス推進本部 ソリューションビジネス推進部長の遠藤哲氏 |  
 日本オラクルでは、自らがSaaS事業者として「Oracle CRM On Demand」などのサービスを提供しているが、その一方で、SaaSアプリケーションの基盤「Oracle SaaS Platform」をSaaS事業者などに提供しているという。後者のビジネスについて、常務執行役員 アライアンス統括本部長の鈴木登志夫氏は、「当社としては、製品、ソリューションや、サービス提供で培った実績やノウハウを提供し、パートナーの成功を支援する役割を担っている」と、その意味を説明する。
 
 Oracle SaaS Platformは、そのための中核となる製品群だが、これは新製品ではなく、あくまでも既存の製品を組み合わせ、事前検証を行ったもの。具体的には、JVMやCoherenceなどのアプリケーショングリッド製品、Oracle RAC、Enterprise LinuxやOracle VM、Oracle Enterprise Manager、WebCenter Suiteといった製品・ソリューションが含まれている。
 
 こうした、SaaSの基盤を提供するというと、話を持って行ったデータセンター事業者からは「競合が来た、といわれてしまう」(アライアンス統括本部 パートナービジネス推進本部 ソリューションビジネス推進部長の遠藤哲氏)というが、遠藤氏は競合という点を力強く否定。「データセンター事業者がこれまでに培ってきた業務基盤は確固たるものであり、当社の製品と競合するものではない。Oracle SaaS Platformは、その上に載って、サービスの連携などを担当する基盤となるものだ」と述べる。
 
 遠藤氏によれば、このサービスの連携という点は、SaaSならではの特徴なのだという。「ユーザーがオンプレミスではなくサービスを使いたくなる動機としてサービス連携がある」と述べた遠藤氏は、それを実現するための製品・技術を提供できる点に、日本オラクルの価値があるとする。SaaSの事業モデルで注目を集めているものとして、「1つのデータセンターの中で、複数のサービスが、あたかも1つのサービスのように振る舞う『SaaSアグリゲーション』」モデルを説明した遠藤氏は、その実現のために必要なサービス間連携を、Oracle SOA Suiteなどで支援できると述べている。
 
 また、「ユーザーインターフェイス(UI)マッシュアップ」を提供できる点も価値があるという。複数のサービスを連携させても、UIがばらばらで使い勝手が悪くては効果的ではない。そのために必要な効果的なUI統合をするための開発・実行基盤を、WebCenter Suiteなどによって提供できると説明した。
 
 
別の側面では、日本オラクルがパートナーとパートナーを結びつける役割も担う。データセンター事業者は、インフラの提供についてはお手の物だが、コンテンツについては必ずしも強いとは限らない。一方、ISVはコンテンツは持っているものの、それをサービスとして提供する仕組みを持っていないことが多い。そこで、膨大な数のパートナーを持っている同社が、「パートナーを結びつけることで、お互いの利益を最大化する」(鈴木氏)とのこと。あわせて、利用期限を限定する代わりに初期コストを削減できるターム(期間)ライセンスやファイナンシングを提供し、パートナーのビジネスを支援するとしている。| 
 |  | SaaSプラットフォーム事業におけるパートナーモデル |  
 
 
 ■ URL
 日本オラクル株式会社
 http://www.oracle.co.jp/
 ニュースリリース
 http://www.oracle.co.jp/news_owa/NEWS/news.news_detail?p_news_code=1997
 
 ■ 関連記事
 ・ 「見えてきたSaaSの課題を解決する」、日本オラクルが最新の取り組みを説明(2009/03/23)
 
 
 
 
( 石井 一志 )
2009/04/16 16:23
 
  
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