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最高技術責任者の加治佐俊一氏
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マイクロソフト株式会社は3月3日、広島大学と連携したアクセシビリティへの取り組みに関する記者説明会を開催。広島大学の学生10名を集め、新宿本社で行ったアクセシビリティに関する授業風景を公開した。
マイクロソフトは企業市民活動の一環として、高齢者や障碍(しょうがい)者を支援するアクセシビリティへの取り組みを実施している。最高技術責任者の加治佐俊一氏によると「アクセシビリティをいかに高めるかといった検討は1988年から開始し、Windows 95あたりから実際に基本機能として反映してきた。現在はマウスなどのデバイスメーカーとも連携を進め、Windows 7での実装目指して、国内16社のメーカーとさまざま協調を行っている。併せてメール、メッセンジャー、テレビ会議システム、PowerPointやVisioなどのMicrosoft Office製品などを応用して、いかにコミュニケーションや学習・生活上の困難を支援するかといった、障碍者の支援ツールとしての技術活用促進にも努めている」という。
その試みはマイクロソフト単独によるものではなく、広く産学連携、自治体・NPO法人との連携により進められており、広島大学の例もその一環。2004年に協働で合意した両者は、「アクセシビリティリーダー育成プログラム」というプロジェクトをスタートしている。
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マイクロソフトのアクセシビリティに関する取り組み
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広島大学とスタートさせた「アクセシビリティリーダー育成プログラム」
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講義・実習は数日間泊まり込みで行われる
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「障碍者を支援できる人材の育成」を目的に講義や学習を行うプロジェクトだが、広島大学では、それらが単位認定される制度や、試験に合格すると学長認定資格が取得できる制度なども行われており、本格的な取り組みとなっている。講義・実習は数日にわたる「アクセシビリティリーダー育成キャンプ」としてすでに過去4回実施されており、5回目が3月2日から5日までマイクロソフトの新宿本社内で実施中。今回公開されたのはその様子だ。Visioのブレーンストーミング機能を使って、話の流れを順序立て、関係をまとめて視覚的な理解に役立てるといった内容の講義・実習が行われた。
「思いを伝えるには」というテーマを設定し、「相手の話を聞く」「対話する」など思いついたアイデアをVisioで図式化してブレーンストーミングを行うといったもので、参加した広島大学の学生たちはノートやPCにメモを取りながら、講師の言葉に真剣に耳を傾けていた。
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授業風景
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「思いを伝えるには」。Visioを使ってブレーンストーミング
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詳細機能の説明後、生徒たちが実際に体験する実習も行われた
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広島大学 アクセシビリティセンター長の佐野眞理子教授
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中には障碍のある学生もいたとのことだが、授業の目的は、「彼らにツールの使い方を教えるのではなく、彼らがここで得た知識を使って、将来、障碍者を支援する人材になれるようにすること。それが同プログラムの特長だ」と広島大学 アクセシビリティセンター長の佐野眞理子教授は語る。
実際、2006年度には21名、2007年度には51名、2008年度には22名が学長認定資格を取得。中には卒業生もいて、社会のさまざまなシーンでこの経験が生かされている。例えば、教師になった卒業生からは「障碍者向けの教材開発に役だった」という声や、照明メーカーに就職した卒業生からは、障碍者の立場から「照明は明るくすればいいというものではないと社内提案し、評価された」という声が返ってきたという。
「当校ではアクセシビリティに以前より取り組んでいるのだが、学校内だけではどうしても限界がある。こうしてマイクロソフトやほかの企業を訪問して、社会をじかに体験できることはとても素晴らしいこと。ツール1つ取っても、それぞれの専攻分野においていかに応用できるかを考えていけるし、昨年からは他大学の学生も参加するようになり、交流の範囲も広がった。学生がそこから得るものは非常に大きい」(佐野教授)と、大きな成果につながっているという。
マイクロソフトは、今後もツールの活用促進や各団体との連携を予定している。3月には、PowerPointをより感覚的に楽しんで学習できる教材として活用できるよう、「特別支援教育でのPowerPoint活用サイト」を公開。4月以降には順次、自治体との連携も拡充していく意向だ。
また7月には夏休みの5日間を使って、東京大学とのプロジェクト「DO-IT Japan 2009」も実施予定。ここでは障碍のある高校生を対象に、ICTの理解を深め、社会体験を通じて、大学進学や将来の就労をサポートするという。
加治佐氏は「知的障碍者に対して、まだまだ生活の中で支援できることがあるのではないかと考えている。PowerPointの応用は、こうした障碍者にも有効なのではないか。今回のような取り組みを進めていくことで、知的障碍者向けの特別機器を安価なPCで代替することも可能になるかもしれない。また、私個人のアイデアとしては、目の見えない方の中には耳からの情報を脳内でデータベース化する能力を持つ方もいるので、こうした能力を生かしていく方向性もあるのでは」とした。
■ URL
マイクロソフト株式会社
http://www.microsoft.com/japan/
広島大学
http://www.hiroshima-u.ac.jp/index-j.html
( 川島 弘之 )
2009/03/03 18:02
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