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日本IBM、Rational事業の基本戦略を発表－アジャイル開発に注力 |
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ソフトウェア事業ラショナル事業部事業部長の渡辺公成氏は、まず開発ツールの市場動向について触れ、「IDC Japanの調査によると、2007年の国内における開発ツール市場規模は約4700億円となり、2012年まで年平均2.4％で成長すると見込まれている。当社では、これを上回る年平均5％の成長を目指し、Rational事業を推進していく」考えを示した。 そして、Rational事業拡大に向けた基本戦略として、「日本市場は今後、製造業中心に海外展開が進んでいくことが予想される。また、金融業については、世界的に大きな変革期にあり、さらに俊敏な企業経営が必要とされている。こうした中で、企業のソフトウェア開発を支えるRational事業では、市場環境の変動に対応できるアジャイル開発に注力していく。日本市場では、アジャイル開発に対して、自由勝手に開発できてしまうといった、マイナスイメージも少なくないが、当社のアジャイル開発では、ガバナンスの有効機能、アーキテクチャの実装をベースにした上で、コミュニティを活用し、イノベーティブなソフトウェア開発を推進していく」（渡辺氏）方針を明らかにした。
さらに、アジャイル開発に関する重要なキーワードとして、マーケットの変動に応じて迅速にソフトウェアを提供する「Ship Early」、企業の成長や競争力向上を維持するためにソフトウェアを継続して改善する「Ship Often」、顧客のニーズを的確に把握してソフトウェアに反映させる「Listen to Your Customers」の3つを挙げ、「いずれも現在のインテグレーターやシステム部門に求められる重要なアクションとなっているが、アジャイル開発によって、これらすべてのアクションを実現することが可能になる」としている。 具体的に、アジャイル開発を支える基盤として、大規模分散環境でアジャイル開発を実現するJazzコラボレーション・プラットフォームを提供しており、今年6月には、コラボレーションツールとして「Rational Team Concert」を発売している。今後、4Qには、要求管理の領域で「Rational Requirements Composer」、テスト管理の領域で「Rational Quality Manager」をリリースしてラインアップ強化を図る予定。 アジャイル開発以外の重点施策としては、組み込みソフト開発ソリューションを積極展開する。今年4月に統合したTelelogic製品とRational製品と連携ソリューションを、自動車、電気電子、航空防衛、通信機器、医療機器などの顧客に提案していく。さらに、IBM PLM事業との連携を図り、メカ、エレキ、ソフトを統合した管理ソリューションを積極的に展開していく計画。 また、品質管理＆テストソリューションの拡販にも取り組んでいく。今年9月に、Webセキュリティソリューション「AppScan」の新製品として、「AppScan Developer Edition」、「AppScan Build Edition」をリリースし、ソフトウェア開発のライフサイクル全体で高い品質を確保するラインアップをそろえた。同社では、この「AppScan」やテスト管理の「Rational Quality Manager」など新製品の投入によって、トータルテストソリューションがそろうことから、「テストソリューション市場において、他社にはない優位性を発揮し、トップシェアを目指す」（渡辺氏）と意欲を見せている。 このほか、エンタープライズ・モダナイゼーションにも注力していく考えで、「日本市場では、COBOLやPL／Iで開発した資産が膨大に残っており、これを再利用するケースがほとんど。当社では、こうした資産を分析し、新しい基盤としてアセット化して再利用するソリューションを提供することで、既存資産の有効利用を推進している。また、EclipseによってJavaやWeb開発と開発基盤を共通化することにより、PC環境でCOBOL、PL／Iのアプリケーション開発を実現していく」（渡部氏）としている。 ■ ＵＲＬ 日本アイ・ビー・エム株式会社 http://www.ibm.com/jp/
（ 唐沢 正和 ）
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