株式会社富士通研究所と米Fujitsu Laboratories of America, Inc.は4月4日、Webアプリケーションの業務仕様に対する検証を自動化する基礎技術を開発したと発表した。今後、実プロジェクトでの試行を通じて、実用化技術の開発を行うとしている。
従来、開発されたWebアプリケーションが業務仕様どおりに動作するかどうかの確認は、テストシナリオとテストデータを作成して手作業で行う必要があった。「小規模な組込プログラムなどでは、形式検証技術と呼ばれる数学的手段を用いてソフトウェアの正しさを保証する技術が用いられていた。しかし、業務系のWebアプリケーションは規模が大きすぎるため、これまで適用できなかった。今回の技術は、実用規模の業務アプリケーションへ適用できたのが特長で、世界でも初めて」(同社取締役ソフトウェア&ソリューション研究所長の上原三八氏)と説明。
同技術を利用することで、業務仕様を自動検証することが可能。また、Webアプリケーションから業務処理部を抽出して、単独で検証したり、網羅的な検証にも対応している。「具体的な数値を入力データとして用いるのではなく、変数のまま実行できるので、あらゆる入力値をテストしたのと同等の検証が可能。人手の場合、どうしてもムラやミスが発生していたが、この技術を利用することで、高水準で均一化したテストが可能。また、網羅的な検証が可能なので、従来のテストで発見できなかった障害の検出も可能になっている。なにより、テスト工程を短縮できるので、システム開発期間の短縮化に貢献できる」(上原氏)とメリットを強調した。
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手動によるテストとの違い
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今回発表された技術の特長
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手作業のテストでは赤い線の工程しかカバーできなかったが、それ以外の部分をテストすることも可能
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■ URL
株式会社富士通研究所
http://jp.fujitsu.com/group/labs/
米Fujitsu Laboratories of America, Inc.
http://www.fla.fujitsu.com/
プレスリリース
http://pr.fujitsu.com/jp/news/2008/04/4-1.html
( 福浦 一広 )
2008/04/04 18:09
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