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SAPが語る、「周回遅れの日本企業にはESAが必要」


独SAP AG 会長兼CEOのヘニング・カガーマン氏
 「ESA(エンタープライズサービスアーキテクチャ)は、企業のビジネスモデルの変革、ビジネスプロセスの柔軟性を約束するもの」、そう語るのは独SAP AG 会長兼CEOのヘニング・カガーマン氏。同社が世界23カ国の大企業および中堅中小企業の上級管理職4000名以上を対象に行った調査「Business 2010」では、今後5年間で企業にとって重要な経営課題として、戦略の実行・イノベーションの迅速さを求めるという結果がでており、カガーマン氏は、こうした企業のニーズに応えられるのがSAPであるとした。

 今回発表された「Business 2010」は、同社が雑誌「The Economist」の出版元であるエコノミストグループのビジネス情報部門「エコノミスト・インテリジェンス・ユニット(EIU)」に依頼して行ったもの。国内では188名(役員レベル管理職が4割、シニアマネージャが6割)を対象に、2004年11月から2005年1月にかけて実施されている。


SAP アジア・パシフィック プレジデント兼CEOのハンス-ピーター・クレイ氏
 調査結果によると、今後5年間に競争力向上の源泉となるものについて、全世界で54%、日本で62%の回答者が新規ビジネスモデルを挙げた。特に日本でこの考えは強く、中国の54%の回答者は新製品・サービスが競争力向上の源泉と挙げているのと対照的な結果となっている。この結果について、SAP アジア・パシフィック プレジデント兼CEOのハンス-ピーター・クレイ氏は、「中国では新製品・サービスを開発することに力が入れられており、それはR&Dへの積極投資という形で表れている。しかし、日本の場合は「どのように」販売するかが重要となっている」と、市場への新しいアプローチが重視されていると説明した。

 また、ITが企業の変化に不可欠かどうかという問いに対して、日本の回答者の87%が不可欠と回答。しかし、ITを戦略的「武器」としているかどうかについての問いには、他の地域より低い58%という結果となっている。「中国の場合、運用・管理の不足部分をITで克服しようとしているのに対し、日本の場合、ITを戦略的武器としての見方が低い」と、今後この差が日本にとって脅威になる可能性が高いと警告した。

 日本が他の地域と大きく異なる結果が出たのが、5年後のITシステムに対する見方だ。ITシステムに対し、単一で一貫性のあるオペレーションを求めるかどうかという問いに対し、日本の回答者の63%が「求めない」と答えている。全世界では、「求める」が42%、「求めない」が44%と、ほぼ同じ結果であったのに比べると大きな違いとなった。


2010年の競争力向上の源泉。日本は新規ビジネスモデルを、中国は新製品・サービスを挙げている 中国・インドはITを戦略的「武器」として推進。日本は相対的に低い数値となっている 日本は、ITシステムに対し、単一で一貫性のあるオペレーションを求めない傾向にある

SAPジャパン代表取締役社長の藤井清孝氏
 これらの結果を踏まえ、SAPジャパン代表取締役社長の藤井清孝氏は、「手作りシステムにこだわる日本企業は、システム統合という点では米欧に比べ周回遅れ」と指摘。「固有のプロセスと標準のプロセスのバランスが日本の企業は悪い。固有でやるところを無理やりあわせたり、標準でできるところを手作りしている」と、事業の付加価値性とITの標準性のバランスが取れていないとした。これにより、ビジネスモデルの変革やビジネスプロセスの柔軟性に影響が出るおそれがある。

 藤井氏は、これを解決するテクノロジーとして同社のESAを紹介。ESAは、同社の統合アプリケーションプラットフォーム「NetWeaver」で実現している、企業の既存システムを生かしつつITシステムを柔軟に構築するアーキテクチャ。「ESAにより、典型的なERPのプロセスも社内独自のプロセスも対処できる。(ITシステムの統合という点で周回遅れの日本も)これで一気にトップ集団に返り咲ける」と、日本企業の強みを活かしながら競争力を強化する上でESAが効果的であると述べた。


欧米諸国との基幹業務システムの構築方法の違い。パッケージの利用率は依然低い ERPのプロセス外に存在するさまざまな業務。これが手作りの膨大なシステムを生むもとになっている ESAを利用した業務。与信を行うときには、販売・会計・外部サービスをそのつど利用することが可能


URL
  SAPジャパン株式会社
  http://www.sap.com/japan/


( 福浦 一広 )
2005/07/07 19:49

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