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2002~2008年の国内IT投資規模と成長率
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2004年と2008年の企業規模別国内IT投資シェア
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IDC Japan株式会社は12月1日、企業規模別の国内IT投資動向と2004年から2008年の予測を発表した。
これによると、2003年の国内IT投資実績値は11兆225億円、2004年は前年比1.4%の成長で11兆1747億円になると予測している。また、今後の動向として2004年から2007年までIT投資が順次増加していく過度期となり、2007年以降は安定して増加する安定成長期に入るという。2003年から2008年の5年間の年間平均2.1%の成長で推移し、2008年には12兆2450億円に達するとしている。
この根拠として、2004年には2003年からの景気回復を受けて、2001年から3年間続いたIT投資のマイナス成長がプラス成長に転換し、2005年も引き続き企業の設備投資意欲が高く、プラス成長を継続。また、消費者所得に企業業績の好結果が徐々に反映され、2005年には消費者のIT製品購入意欲が高まり、成長率を押し上げる一因となるという。
2005年から2006年には海外の景気後退局面が懸念されており、外需に依存する日本企業の低迷の可能性もあるが、内需拡大が望めることからIT投資は引き続いて増加。2006年には2005年の消費者市場回復の反動と、この外需低迷成長率がいったん低下するものの、経済が安定化すれば、2007年以降は国内のIT投資化率(売上高や設備投資費用全体に占めるIT投資金額)がほぼ安定し、企業内のITガバナンスも確立され、IT投資は堅調に増加していくと予測している。
一方、企業規模別に見ると、2004年の従業員規模別IT投資シェアでは、1~99人(小規模企業)が10.4%、100~499人(中規模企業)が13.1%、500~999人(中大規模企業)が6.7%、1000人以上(大規模企業)が48.3%、営利企業以外(官公庁、教育機関、消費者)が21.5%と予測している。
これによると、企業数では全体の約0.2%(総務省平成13年度事業所・企業統計調査結果、その他より推定)にすぎない大規模企業のIT投資比率が非常に高い。これは2001年以降、国内経済が不況で低迷していたため、中小規模以下の企業がIT投資に積極的になれなかったことが原因と考えられている。また、バブル経済崩壊の影響によって、中小規模企業では資金調達が困難な状況が継続していたこともIT化遅延の遠因と見られる。
2005年以降は、不況で先延ばしされていたITによる中大規模企業の業務効率化が進み、また新規設立企業は最初から情報武装する傾向が一般的になるために、大規模企業よりも中大規模以下の企業のIT投資が増加していくとIDCは予測している。特に中小規模企業はハードウェアの高性能化と低価格化、政府や自治体の中小企業育成策の充実が追い風になり、IT投資に注力するとのこと。
この結果、2008年の従業員規模別IT投資シェアでは、小規模企業11.7%、中規模企業が14.2%、中大規模企業が8.1%、大規模企業が45.5%、営利企業以外が20.5%と、小規模から中大規模企業がそれぞれ増加し、相対的に大規模企業が減少するという。
■ URL
IDC Japan株式会社
http://www.idcjapan.co.jp/
プレスリリース
http://www.idcjapan.co.jp/Press/New/20041201Apr.html
( 朝夷 剛士 )
2004/12/01 19:50
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