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クライアント管理機能を搭載した企業向けデータ同期ソフト「Intellisync」


インテリシンク株式会社 代表取締役社長の荒井真成氏
 「エンタープライズ分野に力を入れてます」、そう語るのはインテリシンク株式会社 代表取締役社長の荒井真成氏。同社はデータ同期ソフトウェア「Intellisync」で有名だが、企業向けサーバー製品「Enterprise Intellisync Server」なども提供している。今回、10月の発売を予定しているサーバー製品の新製品「Intellisync Mobile Suite(IMS)」など、同社のエンタープライズ製品への取り組みについて、荒井氏に話を伺った。

 PDAなどパーソナルユースの製品でのデータ同期に欠かせない存在のIntellisyncだが、エンタープライズでも早い段階から製品が投入されているという。「Intellisyncは米国でPalmが販売された同時期に量販店などでパッケージ販売していた。しかし、この製品の利用者の多くが企業内個人でもあることから、企業の情報システム部門がライセンスやサポートを一括管理したいというニーズが高まりサーバー製品が生まれた」と、同社のエンタープライズ向け製品が比較的早い段階に企業からの要望に応える形で生まれたと荒井氏は話す。

 このエンタープライズ向けサーバー製品の最新版が、10月に発売されるIMSだ。IMSでは、従来からあるPDAや携帯電話とMicrosoft ExchangeやLotus Notesとの同期に加え、新たにクライアント管理機能を搭載。「今回の製品ではどのような端末が接続しているかを管理できる」と、管理機能が追加されたところが大きな特徴と荒井氏は説明する。

 また、サーバー側でフォルダを一括管理し、特定ユーザーに対してファイルを同期する機能なども用意されている。「日本ではPDAよりもノートPCでの同期の利用が多く、ノートPCから利用する場合にこの機能は役に立つ」と話す。ノートPCとの同期では、業務アプリケーションなどの一斉配布などにも対応しており、企業でのアプリケーション配布の手間の低減につながるとみている。そのほか、認証システムとの連携によるセキュリティの強化が図られるなど、企業ニーズに応えた製品となっている。

 販売形態としては、ライセンス型とASP型の2種類を予定している。ASP型ではファイル同期機能は使えないものの、個人単位での利用が可能なのが特長。「ASP型は個人単位での利用を想定しているが、実際には企業の部門単位での利用が多いのではないかとみている。実際、企業で一括導入できないところが部署などの小規模な単位で利用している」と、企業でもASP型での利用も多いと荒井氏はみている。


 同社がエンタープライズ向け製品に力を入れるのには理由がある。「当社の売上の7割以上をOEM製品が占めている」(荒井氏)ため、企業として安定した収益を確保する上で、エンタープライズ向け製品の売上も確実なものにしたいためだ。「Intellisyncは携帯電話などにも搭載されているため、OEMの売上は非常に大きなものとなっている。特に携帯電話の場合、販売される個数も大変多いものになるため、毎月明細が届いてみないと売上がどれくらいなのか予想できない」と、安定した収益確保のためにもエンタープライズ向け製品に力を入れる考えだ。

 「8月には、LANDesk Software株式会社 前代表取締役社長の井出龍彦氏をマーケティング担当副社長として迎え入れた。これにより、日本だけでなくアジア各国での販売戦略の構築や流通チャネルの確保、営業支援体制の強化を図る」と、新製品と新体制によって、Intellisyncを企業向けに積極的に展開する考えを示した。



URL
  インテリシンク株式会社
  http://www.intellisync.co.jp/


( 福浦 一広 )
2004/09/03 12:07

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