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ライブドア、ターボリナックス子会社化の説明会を開催


 株式会社ライブドアは3月16日、前日に発表したターボリナックス株式会社の完全子会社化についての説明会を開いた。その席でライブドア代表取締役社長兼CEOの堀江貴文氏は「Linuxにおけるリーディングカンパニーになるための大きな一歩。2006年にはサーバーとデスクトップを含めた世界シェアで30%を目指す」とコメントした。


ライブドア代表取締役社長兼CEO 堀江貴文氏(左)と、ターボリナックス代表取締役社長兼COO 矢野広一氏(右)
 今回の子会社化は、これまでターボリナックスを完全子会社としていた株式会社SRAとライブドアとの間で株式交換契約が締結がされたことで発表された。株式の交換比率は、1対0.60153。株式交換により発行する新株式数は普通株式463,178.1株、株式交換期日は5月6日。なお、買収総額については明らかにされなかった。

 同社の今後の経営体制についてターボリナックス代表取締役社長兼COOの矢野広一氏によると、同氏と取締役兼CTOの谷口剛氏は現在の職務を続ける予定としているが、詳細はまだ検討中とのこと。また、子会社化完了後の両社の製品体系およびサポート体制について矢野氏は「子会社化にともなうラインアップの変更やサポートの打ち切りなどは絶対になく、これまで結んできたパートナーとのアライアンスも継続する」と断言した。

 ターボリナックスを傘下に加えることによりライブドアは、1)サーバー市場向けの「Turbolinux Server」および「Turbolinux Enterprise Server」、2)アプライアンス市場向けの「Turbolinux Appliance Server」、3)デスクトップ向けの「Turbolinux 10 Desktop」と「Lindows」(併売)の、3カテゴリーでLinuxラインアップをそろえることになる。

 この中でエンタープライズ向けサーバーOS分野においては、日本のほか中国をはじめとしたアジア圏でのビジネスを拡大していく意向を示した。ターボリナックスは現在中国で65%のシェアを獲得しているが、ライブドアが加わることによりOSのシェアだけでなくWebアプリケーションなどのサービス分野にも力を入れていくという。また、ターボリナックスの2バイト環境に対するノウハウを取り入れることで、英語版・日本語版以外のLindowsを開発する考えも明らかにした。

 このほか説明会では、Turbolinux Appliance Server 1.0とLindows CDを組み合わせたSBC向けシステムや、TurbolinuxとLindowsにおける年内中のメジャーまたはマイナーバージョンアップ、Webブラウジングやメール機能に特化した「LindowsCD Smile」(4月上旬発売予定)、さらにLindows・Turbolinuxに次ぐ第3の新製品やサービスの提供など意欲的な発表がなされた。


ライブドアのLinuxにおけるシェアと今後の目標
 TurbolinuxとLindowsを合わせるとLinux市場における国内シェアは出荷本数ベースで75.8%に達し、2位のRed Hatの17.2%を大きく引き離すことになる。このことについて堀江氏は「クライアントOS全体シェアで見るとLinuxは2.8%を占めるにすぎない」とし、「今後はディストリビューション同士で食い合うのではなく、組込型OSや低価格PC、アジア諸国への展開などマイクロソフトが手を付けていない市場に積極的にビジネスを展開し、2006年には世界シェアでサーバーOSは20%、クライアントOSは10%を狙う」と語った。



URL
  株式会社ライブドア
  http://www.livedoor.com/
  ターボリナックス株式会社
  http://www.turbolinux.co.jp/

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  ・ ライブドア、ターボリナックスを完全子会社化(2004/03/15)


( 朝夷 剛士 )
2004/03/16 17:24

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