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マイクロソフト、金融面を支援する施策など中小企業向けIT支援の強化を表明


マイクロソフト 常務執行役 ゼネラルビジネス統轄本部 東日本・西日本営業本部担当 眞柄泰利氏

全国IT推進計画 IIにおけるパートナー連携のイメージ
 マイクロソフト株式会社は11月19日、e-Japan戦略IIに対応した中小企業向けIT支援施策「全国IT推進計画 II」を発表した。

 全国IT推進計画は、日本政府が進めるe-Japan構想に対応し、行政や中堅・中小規模企業のIT利用促進を支援する目的で、2001年10月より同社が進めてきたもの。実際には、IT導入に関するセミナーやトレーニングを提供する「全国IT実践塾」、大型キャラバンカーで巡回レクチャーを行う「IT体験キャラバン」、児童、生徒がインターネットに接続して情報の収集、加工、発信ができる環境作りを目指す「ブロードバンドスクール」、中小規模事業所向けビジネスポータルサイト「経革広場」などの取り組みが行われてきた。

 今回の全国IT推進計画 IIはこれを一歩進め、1)中小規模事業所向けコンサルタントの育成、2)中小規模事業所IT化事例映像データベースの構築、3)IT導入を促進する金融面での環境整備、の3点を新たに行う。

 1)ではマイクロソフト認定システムコーディネータ(MCSC)という資格を新たに設け、「まずITありきではなく、経営面から企業を見た場合に、ITをツールとしていかに利用していくか、というようなコンサルティングができる人材の育成を目指す」(同社の常務執行役 ゼネラルビジネス統轄本部 東日本・西日本営業本部担当の眞柄 泰利氏)。対象となるのは、ITコーディネーターやビジネスプロデューサーといったビジネス系資格の取得者で、2004年6月までに200名の育成を目標とする。

 2)では、ブロードバンド環境を活用した事例の公開を行う。成功例はもちろんのこと、失敗の事例も公開していき、IT実践塾のコンテンツへのフィードバックなども行うとしている。

 3)では、中小規模事業所のIT導入を金融面から支援する。中小企業では、案件があっても資力が足りずに中途で終わってしまうようなことが多く見受けられるという。これを改善するため、MCSCのアドバイスを与信審査に活用するなど、課題となっている金融面の障害をなくすように努力していく。

 また、経革広場によるオンラインビジネスコミュニティの強化、自治体・文教向けの取り組み強化、すでに提供している建設業に加えて向けに加えて、医療・福祉向けのソリューション支援、中堅・中小規模事業所向けIT啓発活動の強化など、現在行っている施策の強化も併せて発表された。


米Microsoft CEO スティーブ・バルマー氏 マイクロソフト 代表執行役社長 マイケル・ローディング氏

 会見に同席した米Microsoft Corporation CEOのスティーブ・バルマー氏は「日本はとても高いIT技術を持っているが、PCの普及率は人口に比例していない。これは、自治体、中小企業、教育などの一部セクタが遅れていることに起因している。現在、日本政府はe-Japan構想に力を注いでいるが、課題解決のための施策としては正しいことだと思う。当社の使命は、これを助け、ビジネスの世界で人間が力を発揮できるように手伝うこと」と力強く語った。

 またマイクロソフト株式会社の代表執行役社長、マイケル・ローディング氏は「米CEOが同席をしているということからも、当社がこの取り組みに関していかにコミットしているかということを強調したい。当社が行ってきた一連の施策は長期的な取り組みであり、今回の発表はいままで取り組んでいた内容を、さらに強化するということの表明だ。人や企業がフルポテンシャルを発揮する手伝いを、これからも行っていく」と述べた。



URL
  マイクロソフト株式会社
  http://www.microsoft.com/japan/
  プレスリリース
  http://www.microsoft.com/japan/presspass/detail.aspx?newsid=1770
  関連記事:マイクロソフトが中小企業向けIT導入支援制度を開始(PC Watch)
  http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20011023/ms.htm


( 石井 一志 )
2003/11/19 15:20

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