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米Citrix Systems仮想化および管理製品 主管プロダクトマネージャーのジェイムス・ミリングトン氏
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シトリックス・システムズ・ジャパン株式会社は12月12日、アプリケーション仮想化製品の新版「Citrix XenApp 5.0」で提供される最新のパフォーマンス監視機能「EdgeSight 5.0」に関する説明会を開催した。
EdgeSight 5.0は、Citrix XenApp 5.0の最上位版であるプラチナムエディションに搭載されているもので、シンクライアント環境におけるユーザーエクスペリエンスを最適に保つために、さまざまなパフォーマンス監視機能を提供する。米Citrix Systems仮想化および管理製品 主管プロダクトマネージャーのジェイムス・ミリングトン氏は、「多くの企業は、シンクライアント環境全体のネットワークパフォーマンスや利用状況を把握できていないのが現状。EdgeSightではアプリケーションの利用状況をリアルタイムで監視することで、本当の意味でのエンドユーザーのパフォーマンス分析が可能となる。現在、Citrix XenApp全ラインアップの中でプラチナムエディションの販売シェアは35%に達しており、ユーザー企業もパフォーマンス監視機能の価値を非常に重要視している」と述べた。
具体的な機能としては、1)デバイスレベル、2)ネットワークレベル、3)プロセスレベル、4)ユーザーレベル、の4種類のパフォーマンス情報をシステム管理者に報告する。まず、デバイスレベルでは、アプリケーションが稼働しているサーバー、およびエンドユーザーが利用しているラップトップやデスクトップにおける、CPU、メモリ、ディスクなどの詳細なパフォーマンス情報を報告する。
ネットワークレベルでは、サーバーとクライアントとの間のコネクティビティに関するパフォーマンス情報を報告する。これにより、ネットワークにおける遅延発生をすぐに把握して、即応できる。「自分たちが管理していないネットワークや、離れた場所のクライアントが使っているネットワークなどまで、パフォーマンスが悪いサイトをすべて把握できるため、どのサイトから優先してパフォーマンス改善の投資をするべきかという意志決定にも役立てられる」(ミリングトン氏)という。
プロセスレベルでは、アプリケーションがクラッシュしたり、何らかの不具合が発生した際に、その直前のパフォーマンス情報を報告する。例えば、システム全体の中でアプリケーションがCPUやメモリをどれだけ使っていたか、ユーザーがどのウィンドウをクリックしたのかなど、直前のイベントログやエラーメッセージをすべて自動的に記録。さらに、プログラムの何行目のコードがクラッシュの原因になったのかまで確認できるため、特に社内でアプリケーションを開発している場合は、開発者にとってアプリケーションを修正する上での非常に大きなメリットになる。
ユーザーレベルでは、Citrix XenApp自体のパフォーマンス情報を報告する。エンドユーザーのログインプロセスを20項目に分けて詳細に記録することで、どのプロセスに遅延の原因があるのかを短時間で把握することが可能となる。
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EdgeSightのUser TroubleShooter機能のシステムサマリー画面
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セッション時のパフォーマンス問題を20項目で詳細チェック
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セッション履歴を基にしたパフォーマンス分析
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ミリングトン氏は、「アプリケーションの問題を発見するのは75%がエンドユーザーであり、そのうち、実際にIT部門に報告される問題は6回に1回程度という調査報告がある。つまり、アプリケーションに問題が発生しても、その84%はIT部門に報告されていないのが実情である。例えば、ヘルプデスクにはほとんど問い合わせがこないため、問題なく稼働していると思っていたところ、年に1回のアンケート調査では非常に満足度が低いという結果が出てがくぜんとするケースもよくある」と指摘。
これに対し、「EdgeSightでは、すべてのパフォーマンス情報をリアルタイムに把握できるだけでなく、履歴として保存されるため、問題が生じたタイミングのセッション状況を過去にさかのぼって確認できる。また、同じタイミングでほかのユーザーのセッション状況と比較することもできる。さらに、パフォーマンスレベルの基準を決めることで、その基準を超えた場合はアラートを自動的に送信することも可能。これらのパフォーマンス情報を活用することで、IT部門は、エンドユーザーからの報告を待たなくても、何らかの問題が生じる前に予防的に対処することが可能となる」と、その導入メリットを強調した。

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開発中のEdgeSight日本語版画面
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なお、最近発表した「Citrix XenApp 5.0 サービスパック1」では、EdgeSightにおいて漢字キャラクターのサポートを強化するとともに、日本語版OSでのクオリティを向上している。同社では、2009年第1四半期以降をめどに次期バーションをリリースする予定で、2009年第3四半期以降には、ユーザーインターフェイスからレポート、ドキュメントまで、すべてローカライズ対応した完全日本語版を提供する計画。
■ URL
シトリックス・システムズ・ジャパン株式会社
http://www.citrix.co.jp/
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( 唐沢 正和 )
2008/12/12 17:19
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