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富士ソフトがSaaS事業に参入-“日本”にある安心感を強みに


副社長の堀田一芙氏
 富士ソフト株式会社は5月12日、SaaSと仮想化技術を組み合わせた「FSサービス(SaaBIS)」を発表した。同日より営業活動を開始する。

 FSサービス(SaaBIS)は、情報系サービスをSaaSとして提供することに加えて、業務系システムの仮想化対応およびホスティング対応などを行うことで、新たなサービスとして提供するもの。同サービスについて、同社副社長の堀田一芙氏は、「企業において、SaaSへの関心が高まっているが、データが国外に存在することや利用範囲が限定されることなどへの不安を持たれている。また既存システムが存在する中で、新たにSaaSを利用することへの抵抗感も存在する」と、現状のSaaSではユーザーのニーズに対応しきれていないと指摘。これを解決するものとして、FSサービス(SaaBIS)を提供するとした。

 「CRMなど業務系システムをSaaS化するのではなく、(ホスティングサービスを含めた)仮想化環境対応を提供することでユーザーの不安を解消する。また、グループウェアなど情報系システムに関しては、業務系と連携した形でのSaaSとして提供する。SaaSではなく、SaaBIS(Software as a Business Innovation Service)に進化したサービスを提供する」(堀田氏)と、複合型でサービスを提供する点を特長とした。


FSサービス(SaaBIS)の概念図 SaaSで提供されるアプリケーション 仮想化ビジネスのサービス

 SaaSとして提供されるのは、シングルサインオン環境のほか、グループウェア、Webセミナー、Web会議、表計算、サイト管理などのアプリケーション。同社ソリューション事業本部 副本部長兼SaaS部長の間下裕之氏は、「独立系ベンダーの強みを活かし、特定システムにこだわることなく、ベスト・オブ・ブリードなシステム構築を可能とする」と、紹介。今後は、文書管理や携帯対応、ワープロなどのアプリケーションにも対応する考えを示した。基本価格は、1ユーザーあたり6000円/年から。サービスの提供は10月1日を予定している。

 仮想化ビジネスで提供されるのは、シンクライアント化サービス、サーバーの仮想化サービス、ホスティングサービス、の3つ。同社IT事業本部 インフラソリューション事業部長の保坂英郎氏は、「物理的な制約から解放するものを仮想化として定義したサービス。シンクライアント化サービスでは、株式会社エム・ビー・テクノロジーズと業務提携し、ユーザーのニーズに応じた最適な組み合わせを提供する。また、アプリケーションの対応状況を検証する検証センターを5月19日に開設し、事前検証を行える環境を用意する」と説明。

 同社では、今年度で7億円、来年度には25億円の売上を目指すとしている。SaaSに関しては、海外ベンダーなどを中心に市場が広がっているが、「国内の企業の方に伺ってみると、専用線でつないだ環境でSaaSを利用したいという話があった。こうしたニーズは、現在提供されているSaaSでは解決できない。われわれのデータセンターは秋葉原にあり、すぐにアクセスできる安心感が強み」(堀田氏)と、日本にこだわったサービスであることを強調した。



URL
  富士ソフト株式会社
  http://www.fsi.co.jp/


( 福浦 一広 )
2008/05/12 13:29

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