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日本オラクル、カスタマーサポートサービスのラインアップを強化

“運用付きのソフトウェア”Oracle On Demandサービスも本格展開

日本オラクルにおけるカスタマーサービスのポートフォリオ

カスタマーサービス統括本部 アドバンストカスタマーサービス本部長の倉持謙一氏
 日本オラクル株式会社は12月6日、サポートサービスのメニューを拡充すると発表した。カスタマーサポートメニューの「Advanced Customer Services」(以下、ACS)において、簡略化したサービス、より内容を充実したサービスの双方を新たに追加するほか、20名弱の規模で専任のサービス提供部隊を発足させる。

 これまでACSでは、トラブルの未然防止を最重視した個別対応の年間サポートサービス「Business Critical Assistance(BCS)」を提供してきた。このサービスでは、予防保守に力を注ぐとともに、担当エンジニアのアサイン、シニアエンジニアによる優先対応といったメニューを提供している。しかし日本オラクルでは、さまざまなニーズに応じたさらなるサポートサービスの拡充を目指し、今回ラインアップを拡充した。

 具体的には、ACSにおけるエントリーサービスの「Priority Service」と、最上位の「Solution Support Center」を提供開始する。このうち前者は、通常の製品サポート「Oracle Premier Support」のサービスメニューに、サービス管理者の設置と優先対応を加えたもの。一方後者は、BCSのサービス内容に、チューニングや運用支援、稼働監視支援などを加えたサービスである。

 これらについて、カスタマーサービス統括本部 アドバンストカスタマーサービス本部長の倉持謙一氏は、「データ量の増加やアクセス数の増加、機能の拡張などでシステムが変化していく中で、その時々にあわせてシステムのコンディションを整えていく必要があり、重要システムの確実な導入、安定した稼働を享受してもらえるBCSを提供してきた。今回の拡充により、さらに、顧客のニーズとライフサイクルに最適なメニューを選択いただけるようになっている」と述べている。


カスタマーサービス統括本部 オンデマンド本部長の荻矢隆雄氏

@Oracleでは、@Customerで対象外だったシステム管理やハードウェア管理なども、ベンダに任せることができる
 また日本オラクルでは、オンデマンドビジネスの「Oracle On Demand」も拡張を図るという。同社は現在、ユーザーサイトに設置されたシステムのアプリケーション、データベースなどをリモートで運用支援する「@Customer」サービスを提供している状況。今回はさらに、米Oracleのデータセンターにホスティングを請け負い、ユーザー個別の環境を構築して、まるごとOracleが運用する「@Oracle」サービスの国内展開を開始する。

 カスタマーサービス統括本部 オンデマンド本部長の荻矢隆雄氏は、「@Oracleでは、当社からすべて提供するため、ソフトを購入いただいたお客様は、システムの運用負荷から解放される。ビジネスのスピードを上げて、トータルコストを下げていただけ、トータルバリューを倍増できるサービスだ」とアピールした。

 なお日本オラクルでは、SiebelのCRMアプリケーションを月額課金方式で提供する「Siebel CRM On Demand」を国内で展開しているが、@Oracleはこれとは異なり、ソフトライセンスを購入した後に、運用を委託する形になる。荻矢氏はこれを、「運用付きのソフトウェアを買っていただく」と表現した。

 ACSとOracle On Demandの合計売り上げ目標は、今年度にまず17億円。ただ、日本市場のポテンシャルはまだまだ大きいと見ており、倉持氏は「2010年で100億円を目指したい」としている。



URL
  日本オラクル株式会社
  http://www.oracle.co.jp/


( 石井 一志 )
2006/12/06 17:54

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