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東京エレクトロン、米GoAheadのHAクラスタソフトを発売


マーケティング・グループ 松永 豊氏

SelfReliantの機能を表した概念図
 東京エレクトロン株式会社は6月1日、米GoAhead Software(以下、GoAhead)が開発したHA(High Availability)クラスタミドルウェア「SelfReliant 7500 3.0」(以下、SelfReliant)の販売を、同日より開始すると発表した。

 現在の組込機器市場では、メーカーは主機能部分のアプリケーション開発に注力し、それ以外のミドルウェア、OS、ハードウェアなどの部分では、既存の標準準拠製品を使うという流れになっているという。これは、すべてを自社開発で賄おうとすると膨大なリソースが必要となり、コスト、リスク、製品展開のスピードなどの面で不利になってしまう、ということによる。実際、すでにIA、PowerPCなどを利用するハードウェア部分、LinuxやWindowsを利用するOS部分、またミドルウェアの中でもインメモリデータベースなどではオープンな開発モデルに移行しており、次なるオープン化のターゲットとして、フェイルオーバーなどを行うHAミドルウェアが注目されているという。

 今回発表されたSelfReliantは、こうした組込機器市場向けに開発されたHAクラスタソフトウェア。すでに何種類かの商用クラスタソフトウェアは存在しているが、そうした製品ではカスタマイズがしにくい、フェイルオーバーに時間がかかる、監視機能がOSに依存する、といった欠点があり、利用しにくかったという。しかしSelfReliantでは、必要なものだけ利用できるようにモジュール化されているほか、「APIを使ってカスタマイズが可能で、アプリケーションとSelfReliantのコンポーネントを1つのソフトウェアのように使うことができる。作り込みによっては1秒以下での高速フェイルオーバーを行えるため、ミッションクリティカル領域でも利用が可能になった」(東京エレクトロン マーケティング・グループ 松永 豊氏)。

 製品パッケージとしては、オールインワンの「SR-AS(Advanced Suite)」に加え、高可用性システムを構築する部分を抜き出した「SR-BAM」、高速メッセージング機能を利用するための「SR-DM」、管理機能のみを提供する「SR-ESM」、という機能限定版3製品がラインアップされており、企業は個別の必要要件に応じたパッケージを購入することができる。また、限定版からSR-ASへのアップグレードも可能。提供形態としてはSDK(開発キット)とランタイムの両形態があり、価格はSR-BAMの場合で、SDKが7,200,000円(初年度保守費用を含む)、ランタイムが117,000円(100システム)。

 SDKで利用できるOSとプラットフォームは、Red Hat Linux 7.2、Monta Vista Linux CGE 3.0、Windows Server 2003/2000 Serverなど(以上すべてIA)、Solaris 8/9(UltraSPARC)。ランタイム形態では、これらに加えてVxWork 5.4(PowerPC)にも対応する。

 東京エレクトロンでは通信機器、金融系、製造業などでの利用を見込んでおり、初年度に1億円、3年で5億円の販売を計画している。



URL
  東京エレクトロン株式会社
  http://www.tel.com/jpn/
  米GoAhead Software(英語)
  http://www.goahead.com/


( 石井 一志 )
2004/06/01 14:28

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