|
Check Pointの製品担当副社長、ドリット・ドール氏
|
|
VPN-1 Powerでは、従来の4倍以上の性能を実現したという
|
イスラエルのCheck Point Software Technologies(以下、Check Point)は5月9日(米国時間)、セキュリティプラットフォーム「NGX」の最新版「R61」を発表。これに伴い、主力製品であるファイアウォール/VPNソフト「VPN-1」もラインアップを一新し、高速型の「VPN-1 Power」と、Webアプリケーションファイアウォールやスパイウェア対策機能なども追加した「VPN-1 UTM」として新たに販売を開始する。
これまでの主力製品だったVPN-1 Proでは、基本機能であるファイアウォール/IPsec VPNに加えて、Webセキュリティを強化するための「Web Intelligence」、SSL-VPN機能を提供する「SSL Network Extender」などをアドインする形で機能強化を行ってきた。しかし製品構成が複雑化してわかりにくくなってきたため、今回、2製品に製品ラインを集約し、簡素化を図ったという。
新製品のうち、機能はファイアウォール/VPNに絞りながらも、パフォーマンスに特化した製品がVPN-1 Power。ソフトの分散処理技術などにより、「これまでの製品と比べて4倍以上のパフォーマンスを実現した」(Check Pointの製品担当副社長、ドリット・ドール氏)とのことで、同氏はさらに「性能を落としたくないからセキュリティを導入しない、ということにはしたくない」と述べ、VPN-1 Powerならパフォーマンスの劣化に敏感な環境での使用も問題ないとした。
一方、統合セキュリティ機能を備えたUTM(Unified Threat Management)製品として提供されるVPN-1 UTMは、ファイアウォール/VPNはもちろん、WebセキュリティやSSL-VPN、ウイルス対策、IPS、企業向けパーソナルファイアウォールソフト「Integrity」と連携したスパイウェア対策機能、エンドポイントセキュリティ強化機能などを持つ。「より拡張性の高い機能が緊密に統合され、シンプルに管理できる」(ドール氏)。
また今回の新製品は、「小規模から大規模までスケーラブルに対応できる」(ドール氏)という。同社では企業の小規模事業所向けに提供しているセキュリティアプライアンス「VPN-1 Edge」を強化し、IPS機能などを追加した「VPN-1 UTM Edge」として提供するほか、VPN-1 UTM/Power両製品の特性を兼ね備えた「VPN-1 UTM Power」も用意する。この製品では、ファイアウォール/VPNだけならばVPN-1 Powerと同等のパフォーマンスを発揮できる高速性と、VPN-1 UTMと同等の統合セキュリティ機能を兼ね備える。多機能を利用してもVPN-1 UTMよりも高速に利用できるため、最上位製品の位置付けになるとのことである。
これらの製品を中核とするR61では、エンドポイントセキュリティの管理に関しても、管理プラットフォーム「SmartCenter」で行えるようにした点が大きなアップデート。Integrityなどの強化で実現した。またセキュリティイベント管理製品「Eventia」でIntegrityのイベントデータを扱えるようにしたほか、単一の管理インターフェイスから、リアルタイムで各製品のアップデートが行えるようになっている。
新製品の予定価格は、VPN-1 Powerが56万円(税別)から、VPN-1 UTM Edgeが12万8000円(同)から、などとなっており、5月中に国内でも販売を開始するという。販売はチェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズ株式会社が担当する。なお、VPN-1 Pro/Expressなどの製品もしばらくは併売されるとのこと。
■ URL
Check Point Software Technologies
http://www.checkpoint.com/
チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズ株式会社
http://www.checkpoint.co.jp/
ニュースリリース
http://www.checkpoint.co.jp/pr/2006/20060510vpn1_utm_pro.html
http://www.checkpoint.co.jp/pr/2006/20060510ngx_r61.html
( 石井 一志 )
2006/05/11 10:49
|