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Infoblox、ネットワークID管理製品を一新-IDグリッド対応を強化した新OSなど


今回発表された新ハードウェア4製品
 Infoblox株式会社は6月27日、基本性能を強化したネットワークID管理アプライアンスの新ハードウェア4製品と、OSの新版「NIOS v4.0」を発表した。両者とも7月3日より提供を開始する予定で、「今まで以上に、柔軟で耐障害性の高いIDグリッドを構築できる」(米Infobloxのアーキテクチャ担当副社長、クリケット・リウ氏)。新OSに関しては、保守契約中の既存ユーザーもアップグレードを行うことができるという。市場想定価格は、エントリーモデルで100万円前後から。

 Infobloxのアプライアンス製品は、DNS、DHCP、RADIUSなどの各プロトコル管理を行えるもので、認証およびユーザー管理、セキュリティ管理などを可能にする。同社ではかねてから、これらのプロトコルはアプライアンスベースの管理が最適であるとの立場で製品を展開してきており、これまでに7000台以上の販売実績があるという。

 リウ氏は「現状はさまざまなOS、ハードウェア上でこうしたプロトコルがサポートされている。しかしこれでは非常にシステム管理が複雑であるし、すべてにパッチを適用して最新の状態に保つのは大変。サービスに期待される冗長性、耐障害性を実現するのも困難だ」と指摘。「GUIで管理をより簡素化できる、パッチやアップグレードの管理の問題を解決可能。また最初からセキュリティを強化したプラットフォームでの提供を行っている点、高可用性機能を導入している点もメリット」と、同社製品について語った。


IDグリッドのイメージ

米Infobloxのアーキテクチャ担当副社長、クリケット・リウ氏
 今回の新OSでは、こうした特徴に加えて、Infobloxが提唱する「IDグリッド」実現のための機能を強化している。IDグリッドとは、分散したアプライアンスを1つの集合体として管理できるようにする構想。前バージョンの3.0から実装がはじまっており、これを利用すると、複数のアプライアンスを有機的に統合して管理することが可能になる。

 具体的には、中央に設置したアプライアンスに“グリッドマスター”という役割を担わせて、全体をコントロールする。グリッドマスターと各“メンバー”は設定変更情報やアドレスのリース状況などをやりとりして、1つの大きなネットワークとして動作できるだけでなく、通信が切れた場合でも、個別にサービスを提供し続けることが可能になっている。また、マスター、メンバーの双方に可用性を高めるクラスタの仕組みなども導入されているという。「メンバーは5秒以内で切り替えが可能。マスターの障害時は、マスター候補を昇格させて代わりを務めさせることができる」(リウ氏)。

 今回の新版では、パーティショニングデータベース機能が導入され、このIDグリッドにエントリーモデルの「Infoblox 550」などを参加させられるようになった。さらにGUIも強化されており、多数のアプライアンスやIPデバイスを持つ大規模グリッドのサポートが可能になっている。

 リウ氏は、「ネットワークのアプリケーションはネットワークIDサービスのいずれか、もしくはすべてに依存しているし、新しい使い方もされるようになった。例えばマイクロソフトのActive DirectoryではDNSが不可欠なほか、DHCPはVoIPの実装に欠かせない。NACに代表される大規模なセキュリティソリューションでも、DHCPやRADIUSを用いている。ネットワークIDサービスは心臓部になってきている」と述べ、あらためてネットワークID管理の重要性を主張。

 さらに、「Active Directoryの展開を考えているような顧客だったら、DNSに深く依存していることに気付くだろうから、DNSのリプレースを考えるはず。また同じくVoIPの導入を検討している顧客も、既存インフラを評価して十分な堅牢性を持っているかどうかを確認するだろう」と述べ、潜在的な顧客は相当数あるとの見解を示した。



URL
  Infoblox株式会社
  http://www.infoblox.co.jp/

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( 石井 一志 )
2006/06/27 19:10

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