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ヤマハ株式会社は3月10日、音声会議システムの市場へ参入すると発表した。同社ではその第1弾として、ネットワーク対応テレカンファレンスシステム「PJP-100H」を4月よりサンプル出荷する。価格は29万4000円。| 
 |  | PJP-100H |  | 
 |  | サウンドネットワーク事業部、田丸卓也事業部長 |  | 
 |  | 別売のアダプタにより、携帯電話や固定電話も、アナログ回線経由で会議に参加できるようになる予定だ |  
 ヤマハのサウンドネットワーク事業部、田丸卓也事業部長によれば、音声会議システムの市場は2005年の見込みでワールドワイド1200億円、国内110億円まで成長、今後も年2けたの成長が見込まれる有望な市場になったという。
 
 そして、インターネットの普及でIP会議システムが具体感を持ってきている中、DSP技術をはじめとする音声系で培ってきた技術と、ルーターなどのネットワーク機器で培ってきたIP系技術という、「保有する技術のシナジー」(田丸事業部長)が期待できる分野として、ヤマハでは、IPネットワークを利用する音声会議システムに着目、製品を提供することにした。
 
 その第1弾となるPJP-100Hは、IPネットワーク経由で最大4地点までの音声会議を行うことが可能なテレカンファレンスシステム。通常、テレカンファレンスシステム機器では全方位で音を拾うため、余計なエアコンのファンの音など、雑音を拾いやすい欠点をもつ。
 
 しかしこの製品では左右に16列ずつ配置した狭指向性アレイマイクによって、「全方位の音をただとるのではなく、狙った位置の音をとることが可能」(同社)。話者の声をピンポイントで拾えるため、会話音をクリアに伝えられるだけでなく、話者の方向へ自動的にカメラを向ける連動機能も利用可能という。
 
 また、適応型エコーキャンセラーによるエコーのフィルタリングや、12個のスピーカーによる音声波面合成などによって、聞き取りやすさを向上させているほか、3chエコーキャンセラーによって、相手方3地点からの音声を3つにクリアに分離することができ、音声の識別をしやくなっているとのこと。
 
 加えて、携帯電話や一般電話を1拠点分接続できるようにする専用アダプタも提供予定となっており、IPとアナログを同時に利用した5拠点の会議もサポートする予定だ。
 
 なお今後は、「単なる端末の提供にとどまらず、録音サービスなどを提供するなど、単体でない、システムとしてのビジネスモデルへ発展させたい」(田丸事業部長)考え。そのために必要なネットワークサーバーを早急に立ち上げるとした。
 
 
 ■ URL
 ヤマハ株式会社
 http://www.yamaha.co.jp/
 ニュースリリース
 http://www.yamaha.co.jp/news/2006/06031001.html
 http://www.yamaha.co.jp/news/2006/06031002.html
 
 
 
 
( 石井 一志 )
2006/03/10 17:23
 
  
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