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プロキシム、VoIPを前提に設計された企業向け無線LANアクセスポイントを発表

WPAに標準対応、IEEE 802.11iも対応予定

ORiNOCO AP-4000

米Proxim Corporationの戦略リレーションシップ担当上級副社長、イーハブ・アルハキマ氏
 プロキシム株式会社は4月19日、エンタープライズ市場向けの無線LANアクセスポイント「ORiNOCO AP-4000」を発表した。価格は各代理店ごとに設定されるが、例えば株式会社ディ・アイ・ティの場合は128,000円(税別)。なお、同製品は代理店経由での販売のほか、他ベンダへのOEM供給も行われる。

 AP-4000は、IEEE 802.11a/b/gに準拠したデュアルバンド・トリプルモードのアクセスポイントで、トリプルモードの同時使用をサポート。さらにアクセスポイント間通信(WDS)も行え、離れた場所にある無線LANクライアント同士が、複数のアクセスポイントを経由して通信することを可能にしている。

 管理に関しては、2.4GHz系と5GHz系でそれぞれ16のVLANを構築することができ、社員用、ゲスト用など目的別の複数の仮想ネットワークを1つのアクセスポイントで構築することを可能にした。さらに、設置時に最適なチャンネルを自動的に設置する機能、カバーする範囲に応じて電波の出力を調節する機能、2.4/5GHzの両周波数帯で不正アクセスポイントを検知する機能などを搭載している。加えて、米WaveLinkの管理ツール「WaveLink Mobile Manager」による一括管理に対応しているため、ファームウェアのアップデートなどを行うこともできる。また、セキュリティ面では、WPA(WiFi Protected Access)に標準対応するほか、将来的にはIEEE 802.11iやAESのサポートも予定しているとのこと。

 今回発表された製品と競合他社の製品とを比較した場合、「音声をWiFiで使うことを念頭に設計された」(米Proxim Corporationの戦略リレーションシップ担当上級副社長、イーハブ・アルハキマ氏)ことが最大の違いという。同社では、やはり音声通信を前提に開発された無線LANスイッチ「Proxim ORiNOCOスイッチングシステム」を2月に発表しているが、AP-4000もそれとほぼ同じ方向性の製品となる。「今では、無線LANを利用したデータ通信に関しては、有線と同等の信頼性があるとみなされるようになった。しかし、音声をネットワーク経由で使用するためには、遅延の管理、負荷分散など解決しなくてはならない課題がある。これらを解決するために、当社は米Motorola、米Avayaと(昨年に)提携しており、3社それぞれから自社の専門知識(を生かした製品を)提供していく」(同氏)

 なお、ORiNOCOはもともと米Lucentが開発した製品のブランドであったが、LucentからスピンオフしたAgere Systemsより、Proximが2002年に同ブランドを買収したもの。今後プロキシムでは、ORiNOCOブランドのエンタープライズモデルとしてAP-4000を、中小企業やSOHO向けには発売済みのエントリー製品「AP-600」を積極的に展開するとしている。



URL
  米Proxim Corporation
  http://www.proxim.com/


( 石井 一志 )
2004/04/19 17:19

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