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日本ラリタン、温度/湿度センサーに対応したPDUの新バージョン


Dominion PXシリーズの外観

市村修一代表取締役
 日本ラリタン・コンピュータ株式会社(日本ラリタン)は5月23日、電気用品安全法(PSE法)に適合した次世代インテリジェントPDU(ラック用電源タップ)「Dominion PX」において、温度/湿度センサーのサポートなど機能強化を図ったファームウェア「バージョン1.1」を同日より提供開始したと発表した。

 Dominion PXは、サーバー・ネットワーク機器が接続されたコンセント電源のオン/オフや、消費電力情報のモニタリングをネットワーク経由でリアルタイムに実行できるPDU。PSE法適用製品として日本市場向けに開発されたもので、2008年3月から販売を開始している。市村修一代表取締役は、「当社はKVM(キーボード、ビデオ、マウス)スイッチで国内トップシェアの実績をもち、専業メーカーとしてのイメージが強いが、これに加えて、新たな事業の軸として期待しているのがインテリジェントPDUのDominion PX。今回、機能強化した新バージョンの投入を機に、KVMとPDUを2本柱にしてITインフラ管理ソリューション事業を推進していく」との方針を述べた。

 新バージョンの機能強化点としては、まず、オプションの温度/湿度センサーを取り付けて、周囲の温度と湿度を計測できるようになった。これによって、高温のラックを簡単に特定できるようになり、機器を効率よく冷却するための対策を講じることができる。1台のDominion PXにつき、最大8カ所まで温度と湿度を計測可能となる。温度/湿度センサーは同日から販売開始しており、センサー追加用HUBを6月に発売する予定。

 また新バージョンでは、Webブラウザベースの管理機能を強化し、管理画面にコンセントごとの詳細な計測値が表示されるようになった。これにより、各機器の電圧、電流、電力、内部温度など消費電力情報の把握および測定作業を簡単に行うことが可能となる。さらに、管理画面からリモートで、コンセントごとの電源オン/オフに加えができるだけでなく、PDU全体の電源オン/オフにも対応した。このほか、操作の確認画面を追加しており、不用意なクリックや誤動作による電源操作ミスを防止する。

 従来製品と同様に、同社のKVMスイッチおよび統合管理機器との統合が可能で、KVMスイッチのメニュー上に関連づけを行い、サーバーのフリーズ時などに強制リブートを行うことができる。これによって、遠隔地にいてもサーバーの場所まで移動することなく、サーバールームを管理することが可能になり、電源まで含めた真のリモート管理を実現することができる。


プロダクトマーケティング部 部長の栗田正人氏
 プロダクトマーケティング部 部長の栗田正人氏は、「今年は洞爺湖サミットが開催されることもあり、グリーンITへの注目度がさらに高まっている。企業にとっては、グリーンITの実現に向けて、ITとファシリティの両面から効率的に電力管理を行っていくことが求められている。今回発売する新製品は、コンセントごとの詳細な消費電力情報や周辺の温度/湿度情報をリアルタイムで提供し、簡単にリモートでの電源制御/管理を実現できるため、グリーンITに向けた取り組みにも役立てることができる」としている。

 利用環境に合わせて、「0Uタイプ」3モデルと「1Uタイプ」2モデルの全5モデルを用意。価格はオープンで、市場想定価格は12万6000円から。また、同時発売した温度/湿度センサーの価格もオープンで、市場想定価格は温度センサーが1万円強、温度/湿度センサーが3万円弱、などとなる見込み。



URL
  日本ラリタン・コンピュータ株式会社
  http://www.raritan.co.jp/
  プレスリリース
  http://www.raritan.co.jp/about/abt_rj_news_detail.aspx?status=4&articleId=1026


( 唐沢 正和 )
2008/05/23 17:26

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